Use Cases (更新: 2026/6/7)

居酒屋の予約電話マニュアルと多言語メニューをClaude Codeで作る実務手順

居酒屋の店長向け。予約電話の対応マニュアルと外国人客の多言語メニューを、Claude Codeと生成AIで短時間に整える手順を、プロンプト雛形と検証スクリプト付きで紹介。

居酒屋の予約電話マニュアルと多言語メニューをClaude Codeで作る実務手順

金曜の19時、店は満席。そこへ予約の電話が鳴る。受話器を取ったのは入ったばかりのバイトの子で、声が固まっている。

「えっと、4名様ですね…あ、コースは…すみません、店長代わります」

僕がフロアから走って電話口に着いた頃には、お客さんの声が少しイラついている。背後では「すみませーん!」の声。注文も配膳も止まっている。電話1本のために、ホール全体が数十秒固まったわけです。

しかもその夜は外国人の二人組が来店していて、英語メニューがない。指差しと身振りで乗り切ったけど、アレルギーを聞かれて答えに詰まった。後で「卵が入っていた」とクレームにならなかったのは、ただ運が良かっただけです。

予約電話の応対も、多言語メニューも、「いつか整える」と言い続けて1年が過ぎる。紙に書いても更新されず、バイトの誰も見ない。この記事は、そこを生成AI、特にClaude Codeで1日で形にする話です。

この記事の要点

  • 予約電話の対応マニュアルを、よくある会話の流れごとにテンプレ化し、新人がその場で読める形にする
  • 日本語メニューから英語・中国語・韓国語のメニューを下訳まで一気に作る
  • アレルギーや個人情報など、AIに任せず人が必ず確認する線引きを決める
  • コピペで使えるプロンプト雛形と、メニューの翻訳漏れを見つける検証スクリプトを用意する
  • 導入の手間は半日〜1日、更新はその後1回10分。紙の作り直し地獄から抜ける

居酒屋の現場で何が起きているか

まず読者像をはっきりさせます。この記事が役に立つのは、席数20〜50くらいの個人経営または小規模チェーンの居酒屋店長。スタッフの半分以上がアルバイトで、入れ替わりが多い。インバウンドの客がじわじわ増えていて、英語メニューの問い合わせが月に何度かある。そんなお店です。

居酒屋の予約まわりの業務フローを書き出すと、だいたいこうなります。

  1. 電話が鳴る → 誰かが手を止めて出る
  2. 日付・時間・人数・コースの有無・席の希望を聞く
  3. 予約台帳(紙かアプリ)に書く
  4. アレルギーや苦手な食材があれば確認する
  5. 当日の流れ(お通し、ラストオーダー時刻)を一言伝える

この5ステップ、ベテランなら30秒。でも新人は2番でつまずき、4番を忘れ、5番をすっ飛ばす。属人化しているから、教えるのにも時間がかかる。

メニュー側はもっと放置されがちです。季節で品書きが変わるのに、英語版を作る時間がない。翻訳アプリで都度しのぐから、「親子丼」が毎回違う英語になる。外国人客が増えているのに、ここだけ昭和のまま止まっています。

よくある手戻り・困りごと

  • 新人が予約を取り違える(時間と人数の聞き間違い)。後で電話して謝るはめになる
  • アレルギー確認を忘れ、提供後に発覚。最悪は救急沙汰になる
  • 英語メニューを業者に頼むと数万円かかるうえ、品書きが変わると作り直し
  • 翻訳アプリの直訳が珍妙で、外国人客に通じない。「お通し」が “Pass” になっていたりする

Use case 1:予約電話の対応マニュアルをテンプレ化する

最初に手をつけるべきはここです。電話応対は型が決まっているので、AIと一番相性がいい。

やることは、よくある会話パターンを洗い出して、新人が読み上げるだけで成立するスクリプトに落とすこと。Claude Codeに「うちの店の条件」を渡せば、抜けのないマニュアルを一気に書いてくれます。

下のプロンプトをそのまま使えます。カッコの中だけ自分の店に合わせて書き換えてください。

あなたは居酒屋の接客教育担当です。新人アルバイトが電話応対で読み上げられる
予約対応マニュアルを作ってください。

【店の条件】
- 店名: (居酒屋まさ)
- 席数: (40席)、個室: (2部屋・各6名まで)
- 営業時間: (17:00-24:00、ラストオーダー23:00)
- コース: (3500円/4500円の2種類、要前日予約)
- お通し: (1人400円、必ず案内する)
- 駐車場: (なし、近隣コインP案内)

【作ってほしいもの】
1. 電話を取ったときの第一声テンプレ
2. 聞き取る項目のチェックリスト(日付/時間/人数/コース有無/個室希望/連絡先)
3. よくある質問への回答例(駐車場、子連れ可否、アレルギー対応、当日キャンセル)
4. 復唱して確認するための締めの言葉
出力は新人が読み上げやすい口語の日本語で。専門用語は使わない。

返ってきたマニュアルは、A4一枚にまとめて電話の横に貼っておく。これだけで、冒頭の「店長代わります」が激減します。

聞き取り項目は、紙のチェックリストにしておくと取りこぼしが減ります。最低限こうです。

項目聞く理由抜けたときの事故
日付・時間当然ダブルブッキング
人数席の確保席が足りない/空きすぎ
コースの有無仕込み量に直結当日に材料切れ
アレルギー安全に直結提供事故・クレーム
連絡先当日確認用無断キャンセルの連絡不能

Use case 2:日本語メニューから多言語メニューを作る

次は多言語メニュー。これがAIで一番ラクになる部分です。

日本語の品書きを渡して、英語・中国語・韓国語の3言語に訳してもらう。料理名だけでなく、簡単な説明文も付けると外国人客が安心します。「もつ煮込み」を “Motsu Nikomi” とだけ書いても通じませんが、“Simmered pork offal in miso broth” と一言添えれば伝わる。

プロンプトはこうです。

次の居酒屋メニューを英語・中国語(簡体字)・韓国語に翻訳してください。

【ルール】
- 料理名はローマ字読みも残し、その横に短い英語説明を付ける
  例: Motsu Nikomi (simmered pork offal in miso)
- 価格はそのまま数字を残す(税込/税抜の表記も変えない)
- アレルギー注意が必要な品(卵・乳・小麦・そば・落花生・えび・かに)には
  各言語で注意マークの説明を付ける
- 直訳でなく、現地のメニューで実際に使われる自然な言い回しにする
- 出力は料理名ごとに「日本語 / 英語 / 中国語 / 韓国語」の表形式で

【メニュー】
- 枝豆 480円
- だし巻き卵 580円(卵)
- もつ煮込み 680円
- 鶏の唐揚げ 680円(小麦)
- 海老マヨ 780円(えび・卵)

ここで大事なのは、アレルギー表示を翻訳に任せきりにしないこと。AIは “egg” を付け忘れることがあります。だから人の目で必ず突き合わせる。次の検証スクリプトがその突き合わせを助けます。

AIに任せる範囲と、人が必ず判断する範囲

ここを曖昧にすると事故ります。線引きを表で決めておきましょう。

作業AIに任せてよい人が必ず確認
電話マニュアルの文面作成○ 下書きまで自店の運用と合うか
メニューの翻訳・説明文○ 下訳まで料理名・価格の正確さ
アレルギー表示△ 候補出しのみ◎ 必ず人が最終確認
予約台帳への記入×◎ 人が記入
個人情報(連絡先)の扱い×◎ 人が管理

覚え方は単純です。間違えたら謝って済む作業はAIに下書きさせる。間違えたら健康や信用に関わる作業は人が決める。 アレルギーと個人情報、この2つだけは絶対に丸投げしない。

コピペで使える検証スクリプト

翻訳メニューを目視だけで確認すると、品数が多いと必ず見落とします。そこで「日本語にアレルギー注記があるのに、英語側に対応する単語が無い品」を機械的に洗い出すスクリプトを用意しました。Node.jsがあれば動きます。

check-menu.mjs として保存し、node check-menu.mjs で実行します。

// 日本語のアレルギー表記と、英訳に含めるべき英単語の対応
const allergenMap = {
  "卵": "egg",
  "乳": "milk",
  "小麦": "wheat",
  "そば": "buckwheat",
  "えび": "shrimp",
  "かに": "crab",
};

// 自分のメニューをここに貼る(jp=日本語行, en=英語訳)
const menu = [
  { jp: "だし巻き卵 580円(卵)", en: "Dashimaki Tamago (rolled egg omelet) 580yen" },
  { jp: "鶏の唐揚げ 680円(小麦)", en: "Karaage (fried chicken) 680yen" },
  { jp: "海老マヨ 780円(えび・卵)", en: "Ebi Mayo (shrimp with mayo) 780yen" },
];

let problems = 0;
for (const item of menu) {
  for (const [jp, en] of Object.entries(allergenMap)) {
    const needsAllergen = item.jp.includes(jp);
    const hasAllergen = item.en.toLowerCase().includes(en);
    if (needsAllergen && !hasAllergen) {
      console.log(`要確認: 「${item.jp}」に ${jp}(${en}) の表示が英訳に見当たりません`);
      problems++;
    }
  }
}

if (problems === 0) {
  console.log("OK: アレルギー表示の抜けは見つかりませんでした");
} else {
  console.log(`\n${problems}件、人の目で確認してください`);
}

上の例だと「鶏の唐揚げ」に “wheat” が無いので、ちゃんと警告が出ます。完璧な検査ではありませんが、抜けの当たりを付ける門番としては十分。最後は必ず人が見る、という前提で使ってください。

導入前と後で何が変わるか

僕の感覚値ですが、変化はこのくらいです。

導入前は、予約電話1本にベテランが平均40秒、新人だと取り次ぎ込みで1分以上。1日20本なら、新人時間帯は20分以上が電話に消えていました。マニュアルを貼ってからは新人でも30〜40秒で完結し、店長の取り次ぎがほぼ消えました。

メニューは、業者に英語版を頼むと初回3〜5万円、季節更新のたびに追加費用。AIでの下訳+自分の確認なら、初回が半日、更新が1回10分程度。初期費用ほぼゼロ、更新が紙の作り直しから解放されるのが一番大きい。

ROIの目安をざっくり出すとこうです。

項目導入前導入後
電話1本の所要(新人)60秒+取り次ぎ35秒
英語メニュー初回業者3〜5万円半日の自作業
メニュー更新業者へ再依頼10分
アレルギー確認漏れたまに発生検証スクリプトで激減

時給1200円のスタッフで電話を1日10分短縮できれば、月で約6000円。メニュー更新を年4回業者に出さずに済めば、それだけで数万円。導入コストはほぼ自分の時間だけなので、回収は早いです。

セキュリティと個人情報の注意点

便利だからと、何でもAIに貼り付けてはいけません。居酒屋でも個人情報は出ます。

  • 予約客の名前・電話番号を生成AIに貼らない。 マニュアルの雛形作りには実在の顧客情報は不要です。サンプルは「山田様」「090-0000-0000」のような架空の値で作る
  • アレルギー対応の最終判断は、必ず厨房と人が行う。AIの出力は下書きとして扱う
  • 翻訳メニューを店外(印刷業者やSNS)に出す前に、価格と料理名を二人以上で確認する
  • 無料の翻訳サービスに長文を貼ると、内容が学習に使われる場合がある。店の独自レシピや原価情報は入れない

このあたりの「何を渡してよくて、何を渡してはいけないか」は、プロジェクトのルールとしてまとめておくと迷いません。考え方はCLAUDE.mdのベストプラクティスが参考になります。

よくある質問

Q. ITに詳しくない店長でも使えますか。 A. 電話マニュアルとメニュー翻訳は、文章でお願いするだけなのでプログラミングは要りません。検証スクリプトだけはNode.jsが必要ですが、無くても目視確認で代用できます。まず非エンジニア向けの入り口から始めるのがおすすめです。

Q. 翻訳の精度は信用していいですか。 A. 料理名と説明文は概ね自然に訳されます。ただし価格・アレルギー・固有の調理法は必ず人が確認してください。AIは「もっともらしい間違い」をすることがあります。

Q. メニューが季節で変わります。毎回作り直し? A. 変わった品だけプロンプトに足して再生成すれば10分で済みます。全部作り直す必要はありません。

Q. 中国語や韓国語が正しいか、自分では判断できません。 A. アレルギー注記など命に関わる部分は、念のため翻訳に詳しい知人や有料サービスで一度チェックすると安心です。それ以外の説明文は多少の不自然さは許容範囲です。

Q. プロンプトをうまく書くコツはありますか。 A. 条件を箇条書きで具体的に渡すほど精度が上がります。書き方はプロンプトの基本にまとめてあります。

実際に試した結果

僕は実際に、架空の居酒屋メニュー15品でこの流れを通しで試しました。

電話マニュアルは、店の条件を箇条書きで渡すだけで、第一声からアレルギー確認、復唱までA4一枚に収まる形が一発で出てきました。直したのは、自店のラストオーダー時刻の言い回しくらい。ほぼそのまま使えるレベルです。

メニュー翻訳では、わざと「だし巻き卵(卵)」の英訳から “egg” を抜いた状態で検証スクリプトを回したところ、ちゃんと「要確認」と警告が出ました。逆に正しく訳した行は素通り。目視だと見落とす1件を、機械が確実に拾ってくれたのが収穫です。

一方で、AIが韓国語のアレルギー注記を1品だけ別の表現にしていたのは、スクリプトでは拾えませんでした。やはり命に関わる部分は人の最終確認が要る、という当たり前の結論に戻ります。

電話とメニュー、どちらも「ゼロから作る」のではなく「AIの下書きを人が直す」に変えるだけで、半日仕事が現実的な作業になりました。同じ要領で日々の業務を軽くしたい人は、生産性を上げる使い方もあわせてどうぞ。お店全体での導入や、スタッフ研修まで含めて相談したい場合は、研修・相談で具体的な進め方を一緒に設計できます。

参考までに、生成AIの仕組みや料金の前提はOpenAIの公式情報などの一次情報も確認しておくと、ツール選びの判断がぶれません。

#claude-code #業務効率化 #居酒屋 #多言語 #接客マニュアル
無料

無料PDF: Claude Code はじめてのチートシート

まずは無料PDFで基本コマンドと最初の使い方をまとめて確認してください。登録後はそのままテンプレート集や導入相談にも進めます。

スパムは送りません。登録情報は厳重に管理します。

Claude Codeを仕事で使える形にしませんか?

まず無料PDFで基本を固め、繰り返し使う作業はGumroad教材へ、チーム導入や権限設計は導入相談へ進めます。

Masa

この記事を書いた人

Masa

Claude Codeの実務活用、導入設計、収益導線改善を検証しているエンジニア。10言語の技術メディアを運営中。

PR

関連書籍・参考図書

この記事のテーマに関連する書籍を楽天ブックスで探せます。

※ 当サイトは楽天市場のアフィリエイトプログラムに参加しています。上記リンクから商品をご購入いただくと、運営者に紹介料が支払われる場合があります。