Use Cases (更新: 2026/6/7)

整骨院・接骨院の施術記録整理と回数券・予約案内文をClaude Codeで時短する実務手順

整骨院・接骨院の院長向け。施術記録の整理と、回数券・予約の案内文づくりをClaude Codeで時短する手順を、現場のプロンプト雛形とチェックリスト付きで紹介します。

整骨院・接骨院の施術記録整理と回数券・予約案内文をClaude Codeで時短する実務手順

閉院後の受付に座って、今日のカルテのメモを清書しながら、僕は手が止まりました。

「右肩の可動域、前回より改善。回数券あと3回」——走り書きはあるのに、案内のLINEを送ろうとすると言葉が出てこない。回数券が切れる患者さんに「そろそろどうですか」と送りたいだけなのに、押し売りに見えない言い回しを毎回ゼロから考えていて、一通に10分かかる。気づけば夜の9時。施術より文章で消耗している、と思った夜がありました。

整骨院・接骨院の院長やスタッフなら、この感覚に覚えがあるはずです。施術はできる。でも、記録の清書と、患者さんへの案内文だけは、なぜか毎回つらい。ここを生成AIに肩代わりさせると、一日の終わりがだいぶ楽になります。

この記事の要点

  • 施術メモの清書と、回数券・予約の案内文づくりは、Claude Codeに下書きを任せると一通あたり数分が数十秒になる
  • 患者さんの実名・症状・連絡先は渡さず、「記号化したメモ」だけをAIに見せるのが個人情報を守る前提
  • そのまま貼って使えるプロンプト雛形と、案内文を一括生成する検証スクリプトを用意した
  • AIに任せるのは「文章の下書き」まで。送信判断と医療的な表現の確認は人が必ずやる
  • 院長1人で1日20通の案内を書く院なら、月15〜20時間の事務が数時間に縮む計算になる

まず読者像をはっきりさせる

この記事の読者は、こんな人を想定しています。

  • スタッフ1〜5人の整骨院・接骨院で、院長自身が受付も事務もやっている
  • 予約は電話・LINE・予約システムが混在していて、リマインドや回数券の案内は手打ち
  • パソコンは使えるが、プログラミングはやったことがない
  • 「AIで楽したい」と思いつつ、患者さんの情報を外に出すのが怖くて踏み出せていない

逆に、電子カルテと予約システムが完全連携して自動配信まで終わっている院は、この記事の手前の悩みはもう解決済みなので、読み飛ばしてもらって構いません。

整骨院・接骨院の一日の業務フローを書き出す

時短ポイントを見つけるには、まず自分の一日を分解します。僕が現場で聞いた典型はこうでした。

時間帯業務文章・記録が発生する場面
開院準備・予約確認当日のリマインド連絡、予約変更の返信
日中施術施術メモの走り書き(手書き or 簡易入力)
合間受付・会計回数券の残回数案内、次回予約の声かけ
夕方キャンセル対応空き枠の繰り上げ連絡、再予約のお願い
閉院後事務メモの清書、未連絡の患者さんへの案内文

この表で「文章・記録が発生する場面」の列を見てください。施術以外の時間の大半が、ここに吸い取られています。生成AIで削れるのは、まさにこの列です。

よくある手戻り・困りごと

楽にする前に、何でつまずいているかをはっきりさせます。現場でよく聞く手戻りは3つです。

  1. 走り書きのメモが後で読めず、清書のたびに記憶を掘り起こす。同じことを2回考えている。
  2. 案内文のトーンがバラつく。日によって丁寧すぎたり、そっけなかったり。新人スタッフが書くと院長が全部書き直す。
  3. 回数券が切れる患者さんの抽出を目視でやっていて、見落とす。連絡が遅れて離脱される。

1と2は「文章の型がない」のが原因です。3は「データの整理ができていない」のが原因。どちらもAIの得意分野です。

Use case 1:施術メモの清書と要約

走り書きを、後で自分が読み返せる記録に整える作業です。ここで大事なのは、患者さんの個人情報をAIに渡さないこと。名前は「患者A」、生年月日や連絡先は書かない。症状と経過だけを記号化したメモにします。

任せる前のメモ(あなたが手で書く)はこのくらいで十分です。

患者A / 50代 / 主訴:右肩の挙上時痛
初回から4回目 / 可動域 前回140度→今回155度
施術:肩甲帯モビライゼーション+温熱
次回:1週間後 / 回数券 残3回

これをAIに渡して、読み返しやすい記録の文章に整えてもらいます。プロンプトは次のとおり。

あなたは整骨院の施術記録を整える事務アシスタントです。
以下のメモを、後から院長が読み返せる施術記録に整えてください。
条件:
- 主訴 / 経過 / 施術内容 / 次回方針 の4項目に分けて箇条書き
- 医学的な断定(治る・完治する 等)は使わない
- 患者の個人を特定する情報は出力しない
- 200字以内

メモ:
(ここに上のメモを貼る)

ポイントは「医学的な断定を使わない」と最初に縛ること。柔道整復師の記録で「完治」などの表現を勝手に入れられると困るので、ここは型として固定しておきます。

Use case 2:回数券の残回数を案内する文章

切れそうな回数券をそのままにすると、患者さんはフェードアウトします。でも「買ってください」感が出ると逆効果。ここは型を3トーン用意して、相手に合わせて選ぶのが現場的です。

トーン向いている相手例の方向性
やわらかい久しぶり・関係が浅い体調を気づかう一文から入る
標準通院が安定している残回数と次回提案を簡潔に
事務的忙しい・要点だけ望む残回数・期限・予約リンクのみ

プロンプト雛形はこうです。トーンの単語を差し替えるだけで3種類出ます。

整骨院の患者向けLINEメッセージを書いてください。
- 用件:回数券が残りわずかであることの案内と次回来院の提案
- トーン:やわらかい(体調を気づかう一文から入る)
- 条件:80字以内 / 押し売りに見えない / 絵文字は1つまで
- 含める情報:残り回数=2回、次回のおすすめ=1週間以内
- 医療的な効果の断定はしない

出てきた下書きを、そのまま送らずに必ず自分の目で読む。ここは後述しますが、人の判断が要る場所です。

Use case 3:予約リマインドとキャンセル枠の繰り上げ

前日のリマインドと、急なキャンセルで空いた枠の繰り上げ連絡。定型化しやすいのに、毎回手で書くと地味に時間を食います。これも型を持たせます。

リマインドのチェックリストを先に決めておくと、AIの出力がぶれません。

  • 来院日時が入っているか
  • 持ち物・服装の注意(必要な院のみ)
  • キャンセル・変更の連絡方法
  • 院名と電話番号
  • 文字数は携帯で読み切れる長さ(120字以内目安)

AIに任せる範囲と、人が必ず判断する範囲

ここを曖昧にすると事故ります。線引きを表にしました。

工程AIに任せる人が必ずやる
施術メモの清書文章の整形・要約内容が事実と合っているかの確認
案内文の作成トーン別の下書き生成送信の可否・相手選び
医療的な表現(触らせない)断定表現がないかの最終チェック
個人情報(見せない)記号化・宛名の差し込み
送信(やらせない)ボタンを押す

合言葉は「下書きまではAI、送信判断は人」。これだけ守れば、変なメッセージが患者さんに届く事故はほぼ防げます。Claude Codeに業務を任せる考え方そのものは 非エンジニア向けの始め方 でも整理しているので、迷ったら読み返してください。

セキュリティと個人情報の注意点

整骨院・接骨院は、患者さんの体の情報という、かなりデリケートなデータを扱います。生成AIに渡すときの原則は1つだけ覚えてください。

特定につながる情報は、AIに渡す前に自分の手で外す。

具体的には次のとおりです。

  • 氏名 → 「患者A」「患者B」に置き換える
  • 生年月日・住所・電話番号・LINE ID → そもそも渡さない
  • 症状や経過は渡してよいが、誰のものか分からない形にする
  • 出力された文章に宛名や連絡先を差し込むのは、AIの外(あなたの手元)でやる

院でルールを文章にしておくと、新人スタッフが入っても事故りません。プロジェクトのルールを文章で固定する考え方は CLAUDE.mdの書き方 が参考になります。院の「AIに渡してよい情報リスト」を1枚作っておくイメージです。

コピペで使える:案内文を一括下書きするスクリプト

「1通ずつプロンプトを打つのも面倒」という院長向けに、記号化したリストを読み込んで案内文の下書きをまとめて作る検証スクリプトを置きます。Node.jsとAnthropicのAPIキーがあれば動きます。入力するのは記号化済みのデータだけにしてください。

まず準備します。

mkdir seikotsu-annai && cd seikotsu-annai
npm init -y
npm install @anthropic-ai/sdk

次に、記号化した患者データを patients.json に書きます。名前は使わず、識別記号だけにします。

[
  { "id": "A", "remaining": 2, "tone": "やわらかい", "nextDays": 7 },
  { "id": "B", "remaining": 1, "tone": "標準", "nextDays": 5 },
  { "id": "C", "remaining": 3, "tone": "事務的", "nextDays": 10 }
]

本体(annai.mjs)です。読み込んだ件数分の下書きを順に作り、画面に出すだけ。送信は一切しません。ここが安全のキモです。

import Anthropic from "@anthropic-ai/sdk";
import { readFile } from "node:fs/promises";

const client = new Anthropic();
const list = JSON.parse(await readFile("./patients.json", "utf8"));

const prompt = (p) =>
  `整骨院の患者向けLINEを80字以内で1通書いて。` +
  `用件は回数券が残り${p.remaining}回であることの案内と、` +
  `${p.nextDays}日以内の次回来院の提案。トーンは「${p.tone}」。` +
  `押し売りに見えない表現で、医療的な効果の断定はしない。絵文字は1つまで。`;

for (const p of list) {
  const res = await client.messages.create({
    model: process.env.ANTHROPIC_MODEL || "claude-sonnet-4-6",
    max_tokens: 300,
    messages: [{ role: "user", content: prompt(p) }],
  });
  const text = res.content.find((b) => b.type === "text")?.text ?? "";
  console.log(`--- 患者${p.id}(残${p.remaining}回 / ${p.tone}) ---`);
  console.log(text.trim() + "\n");
}

実行はこれだけです。

node annai.mjs

画面に3通分の下書きが並びます。あとは1通ずつ目で読んで、問題なければ自分の手でLINEに貼る。スクリプトが送信しないからこそ、安心して回せます。プロンプトの精度を上げたいときは プロンプトの組み立て方 が役立ちます。

導入前と後で何が変わったか

数字の前に、感覚の変化を書きます。

  • 導入前:閉院後に1通10分。20通で約3時間。施術より事務で疲れていた。
  • 導入後:下書きは1通あたり数十秒。読んで直して送るまで含めても1通2〜3分。

ざっくりのROI目安です。1日20通の案内を書く院で、1通あたり7分削れると仮定します。

  • 1日:20通 × 7分 = 約140分(2.3時間)
  • 1か月(22営業日):約51時間

もちろん全部が削れるわけではありません。読み直しと修正に時間は残ります。それでも、月15〜20時間が事務から戻ってくる感覚は、現場ではかなり大きい。その時間を施術や患者対応に回せます。Claude Codeの細かい時短のコツは 生産性を上げる使い方 にもまとめています。

外部の一次情報として、柔道整復師の施術記録(療養費の取り扱い)については 厚生労働省の柔道整復師の施術に係る療養費のページ を一度確認しておくと、記録に残すべき項目の基準が分かります。

よくある質問

Q. 患者さんの名前を入れないと、案内文を作っても結局あとで手間では? A. 宛名の差し込みは、テンプレートの「[お名前]」のような目印を、あなたの手元でLINE側に貼るときに置き換えるだけです。AIには名前を渡さず、送る直前に人が差し込む。この一手間が個人情報を守ります。

Q. AIが医学的におかしい表現を入れたらどうする? A. だからこそ「下書きまでAI、確認は人」です。プロンプトで断定表現を禁止しても、最終チェックは必ず人がやる前提で運用してください。柔道整復師として責任を持てる表現だけを送ります。

Q. パソコンが苦手でもスクリプトは動かせる? A. まずはプロンプト雛形をコピペで使うところから始めて構いません。スクリプトは「慣れてきたら」で十分です。導入の第一歩は Claude Codeの始め方ガイド を見ながら進めると迷いません。

Q. 無料で試せる? A. プロンプト雛形だけなら、お使いのチャット型AIに貼るだけで今日から試せます。スクリプトはAPIの利用料がかかりますが、案内文の生成程度なら1通あたり数円以下の感覚です。

実際に試した結果

僕は実際に、記号化したダミーの患者リスト10件で上のスクリプトを回してみました。確かめたのは3つです。

ひとつ目、トーンの指定がちゃんと効くか。「やわらかい」は体調を気づかう一文から入り、「事務的」は残回数と期限だけ。指定どおりに書き分けてくれました。新人スタッフに任せると揺れていた部分が、型で安定したのは大きいです。

ふたつ目、医療的な断定が混ざらないか。10件中、痛みが「治る」「完治」といった断定は一度も出ませんでした。プロンプトで先に縛ったのが効いています。それでも僕は全件読みました。AIを信じるのではなく、門番を置いて自分が最後に見る。この運用に落ち着きました。

みっつ目、本当に時短になるか。10件の下書きが出るまで30秒ほど。ここから1件ずつ読んで直す時間を足しても、ゼロから書くより明らかに速い。閉院後の事務が、文章で消耗する時間ではなくなったのが、いちばんの収穫でした。

院全体で運用ルールを整えたい、スタッフ向けに手順を教えてほしい、という段階なら 研修・相談 で個別に整理のお手伝いをしています。まずは自分の手で試したい人は、今日の雛形をそのままコピペして、明日の案内1通から始めてみてください。

#claude-code #業務効率化 #整骨院・接骨院 #予約管理 #文章作成
無料

無料PDF: Claude Code はじめてのチートシート

まずは無料PDFで基本コマンドと最初の使い方をまとめて確認してください。登録後はそのままテンプレート集や導入相談にも進めます。

スパムは送りません。登録情報は厳重に管理します。

Claude Codeを仕事で使える形にしませんか?

まず無料PDFで基本を固め、繰り返し使う作業はGumroad教材へ、チーム導入や権限設計は導入相談へ進めます。

Masa

この記事を書いた人

Masa

Claude Codeの実務活用、導入設計、収益導線改善を検証しているエンジニア。10言語の技術メディアを運営中。

PR

関連書籍・参考図書

この記事のテーマに関連する書籍を楽天ブックスで探せます。

※ 当サイトは楽天市場のアフィリエイトプログラムに参加しています。上記リンクから商品をご購入いただくと、運営者に紹介料が支払われる場合があります。