Tips & Tricks (更新: 2026/6/7)

Framer Motionの退場・レイアウトアニメ実装:CSSで詰む動きをReactで足す

リストの並び替えやモーダルの退場はCSSだと詰む。Framer Motion(motion)のAnimatePresenceとlayout、Web Animations APIの使い分けを、コピペで動くReactコードで解説。

Framer Motionの退場・レイアウトアニメ実装:CSSで詰む動きをReactで足す

「このモーダル、閉じるときもふわっと消して」

Claude Codeにそう頼んだら、出てきたコードは opacity: 0 のCSSトランジションでした。開くときはきれいにフェードイン。でも閉じるボタンを押すと、モーダルは一瞬で消えました。フェードアウトしない。

理由はあとで腑に落ちました。Reactで setShow(false) した瞬間、要素はDOMから消えます。消えた要素にトランジションをかけても、もう描画する箱がない。CSSの transition は「存在し続ける要素のプロパティが変わったとき」しか動かないので、退場の演出だけは原理的に届かないんです。

ここがCSSの限界線です。入場のフェードインや、ホバーで色が変わる程度なら、CSSのほうが軽くて確実。でも「消える瞬間を見せる」「リストを並び替えたときに各カードがスーッと移動する」「要素のサイズが変わるのを滑らかに繋ぐ」——このあたりはJavaScript、というかライブラリの出番です。

この記事は、そのJS駆動・ライブラリ側に振り切って書きます。主役はFramer Motion(現在のパッケージ名は motion)。標準のWeb Animations APIも併せて、いつ素のCSSで足りて、いつライブラリを入れるべきかの線引きまでやります。純粋なCSSアニメーション(@keyframestransitionwill-change)を深掘りしたい人は、姉妹記事のCSSアニメーションが重い・酔うを直すへどうぞ。こっちはあくまで「CSSで詰んだ動き」を担当します。

この記事の要点

  • Reactで要素が消える瞬間を演出したいなら、CSSのトランジションでは届かない。AnimatePresence で囲って exit を書く。
  • リストの並び替え・追加削除で各要素を滑らかに動かすなら layout プロップ。位置の差分はライブラリが勝手に計算してくれる。
  • ライブラリは無料ではない。バンドルが数十KB増える。フェードイン・ホバー・スクロール表示はCSSで十分で、入れる前に「CSSで無理か?」を一度疑う。
  • 1回きりの単発演出(クリックでボタンが軽く弾む等)は、依存ゼロのWeb Animations API (element.animate()) が軽くて速い。
  • Claude Codeに任せるときは「motion パッケージで」「prefers-reduced-motion を尊重して」まで指示しないと、退場アニメが消えたり古いAPIで書かれたりする。

まず「CSSで足りるか」を疑う

ライブラリを入れる前に、これだけは毎回自分に問います。「この動き、CSSで無理?」と。多くの動きは、答えが「いける」です。

下の表が、僕の中の線引きです。

やりたいことCSSで足りる?道具
ホバーで色・影が変わる足りるtransition
スクロールで要素がフェードイン足りるtransition + Intersection Observer
ローディングのスピナー回転足りる@keyframes
クリックでボタンが一度だけ弾むほぼ足りるWeb Animations API か CSS
要素が消える瞬間を見せる(React)足りないFramer Motion AnimatePresence
リスト並び替えで各要素が移動足りないFramer Motion layout
ドラッグ、慣性、ジェスチャー足りないFramer Motion / 専用ライブラリ
複数要素を時間差で連鎖厳しいFramer Motion の stagger

上3つは、はっきり言ってライブラリを入れたら負けです。framer-motionnpm install した瞬間に数十KBのバンドルが乗るので、スピナー1個のためにそれを払うのは割に合いません。スクロール表示も、Intersection Observerと数行のCSSで終わります(これは姉妹記事で詳しくやっています)。

ライブラリが本当に要るのは、表の下半分。DOMから消える要素と、位置が変わる要素。この2つはCSSの設計思想の外側にあるので、素直に道具を借りたほうが速いし安全です。

Framer Motion(motion)を入れる

パッケージ名が一度変わっているので、ここだけ注意してください。昔は framer-motion でしたが、今は motion です(公式ドキュメントnpm install motion を案内しています)。importも motion/react に変わっています。Claude Codeや古い記事は今でも framer-motion で書いてくることがあるので、生成コードを見たら最初にここをチェックします。

# 新しいパッケージ名はこちら
npm install motion

# 古い記事だと framer-motion を案内されるが、今はこっち

importはこう書きます。

import { motion, AnimatePresence } from "motion/react";

motion.divmotion.button のように、HTMLタグの前に motion. を付けるだけで、その要素がアニメーション可能になります。あとは animateexit といったプロップで「どう動くか」を宣言する。命令的に「今動け」と書くのではなく、「この状態になる」と宣言するのがこのライブラリの肝です。

退場アニメ:消える瞬間を AnimatePresence で掴む

冒頭で詰まったやつです。Reactで要素を条件付きレンダリングすると、false になった瞬間にDOMから消える。だから退場演出が効かない。

AnimatePresence は、この「消える直前」を一瞬だけ掴んでくれる仕組みです。子要素が消えそうになると、退場アニメ(exit)が終わるまでDOMからの削除を待ってくれます。コピペで動く完成形がこちらです。

import { useState } from "react";
import { motion, AnimatePresence } from "motion/react";

export function Modal() {
  const [open, setOpen] = useState(false);

  return (
    <div>
      <button onClick={() => setOpen(true)}>開く</button>

      {/* AnimatePresence で囲むと、中の要素が消える瞬間を掴める */}
      <AnimatePresence>
        {open && (
          <motion.div
            // key は必須。これで在/不在を追跡している
            key="modal-backdrop"
            className="backdrop"
            initial={{ opacity: 0 }}   // 出現前の状態
            animate={{ opacity: 1 }}   // 表示中の状態
            exit={{ opacity: 0 }}      // 退場時の状態(CSSでは書けない部分)
            onClick={() => setOpen(false)}
          >
            <motion.div
              key="modal-card"
              className="card"
              initial={{ opacity: 0, y: 20, scale: 0.96 }}
              animate={{ opacity: 1, y: 0, scale: 1 }}
              exit={{ opacity: 0, y: 20, scale: 0.96 }}
              transition={{ duration: 0.22, ease: [0.16, 1, 0.3, 1] }}
              onClick={(e) => e.stopPropagation()}
            >
              <h2>保存しました</h2>
              <p>このカードは、閉じるときもちゃんとフェードアウトします。</p>
              <button onClick={() => setOpen(false)}>閉じる</button>
            </motion.div>
          </motion.div>
        )}
      </AnimatePresence>
    </div>
  );
}

ポイントは3つだけ覚えてください。

  1. AnimatePresence で条件分岐ごと囲む{open && (...)} の外側に置く。これが「消える瞬間」を掴むスコープになります。
  2. 直下の子に必ず key を付けるAnimatePresence はkeyで要素の在/不在を追跡しているので、ここが無いと退場が動きません。配列のindexをkeyにしないこと(並び替えで壊れます)。
  3. exit に「消えるときの状態」を書くinitial(出現前)・animate(表示中)・exit(退場時)の3点を宣言すれば、間の動きはライブラリが補間します。

モーダルやトーストのように「開いたものが閉じる」UIだと、mode="wait"AnimatePresence に付けると、前の要素が消えきってから次が出ます。タブの切り替えで中身を入れ替えるときに重宝します。

レイアウトアニメ:並び替えを layout で滑らかに

もう一つCSSが苦手なのが、レイアウトの変化です。リストを並び替える、項目を1つ削除して下が詰まる、フィルターで表示数が変わる——このとき各要素が「カクッ」とワープせず、元の位置から新しい位置へスーッと動いてほしい。

これをCSSでやろうとすると、各要素の旧座標と新座標を自前で測って差分を当てる、いわゆるFLIPという手法を手で実装することになります。地獄です。Framer Motionは layout プロップ一個でこれを肩代わりしてくれます。

import { useState } from "react";
import { motion } from "motion/react";

const initial = [
  { id: 1, label: "記事を書く" },
  { id: 2, label: "レビューする" },
  { id: 3, label: "公開する" },
];

export function SortableList() {
  const [items, setItems] = useState(initial);

  // 配列をシャッフルするだけ。座標計算は一切しない
  const shuffle = () =>
    setItems((prev) => [...prev].sort(() => Math.random() - 0.5));

  const remove = (id: number) =>
    setItems((prev) => prev.filter((item) => item.id !== id));

  return (
    <div>
      <button onClick={shuffle}>並び替える</button>
      <ul style={{ listStyle: "none", padding: 0 }}>
        {items.map((item) => (
          <motion.li
            key={item.id}            // ここでも安定した key が必須
            layout                    // ← これだけで位置の変化が滑らかになる
            transition={{ type: "spring", stiffness: 500, damping: 40 }}
            style={{
              padding: "12px 16px",
              marginBottom: 8,
              borderRadius: 8,
              background: "#eef2ff",
            }}
          >
            {item.label}
            <button onClick={() => remove(item.id)} style={{ marginLeft: 12 }}>
              削除
            </button>
          </motion.li>
        ))}
      </ul>
    </div>
  );
}

shuffle の中身を見てください。やっているのは配列を並び替えているだけで、座標の計算は一行もありません。layout プロップが、レンダリング前後の位置を勝手に測って差分をアニメーションしてくれます。transitiontype: "spring" を渡すと、バネのような自然な減速になります。AnimatePresence と組み合わせれば、削除時にフェードアウトしながら下が詰まる、という合わせ技もできます。

layout は便利ですが、サイズや位置が頻繁に変わる巨大なリストに全部付けると、毎フレームの再計測でカクつくことがあります。アニメーションさせたい要素だけに絞るのがコツです。

ライブラリ要らずの選択肢:Web Animations API

「退場でもない、並び替えでもない。ただクリックでボタンを一度だけ弾ませたい」。この程度なら、ライブラリを入れる必要すらありません。ブラウザ標準のWeb Animations API(WAAPI)で足ります。element.animate()@keyframes をJSで書けるようなもので、依存ゼロ・追加バンドルゼロです。

しかもこのAPIは finished というPromiseを返すので、「アニメーションが終わったら次の処理」が await で素直に書けます。reduce motion設定の人には動きを飛ばす、という配慮も入れた実装がこちらです。

import { useRef } from "react";

export function SaveButton() {
  const ref = useRef<HTMLButtonElement>(null);

  const handleClick = async () => {
    const button = ref.current;
    if (!button) return;

    // 端末が「動きを減らす」設定なら演出はスキップ
    const reduceMotion = window.matchMedia(
      "(prefers-reduced-motion: reduce)"
    ).matches;

    if (!reduceMotion) {
      // element.animate() は Animation を返し、.finished は Promise
      await button.animate(
        [
          { transform: "scale(1)" },
          { transform: "scale(0.94)" },
          { transform: "scale(1)" },
        ],
        { duration: 180, easing: "ease-out" }
      ).finished;
    }

    // ここで実際の保存処理を呼ぶ(演出の完了を待ってから)
    console.log("保存処理を実行");
  };

  return (
    <button ref={ref} onClick={handleClick}>
      保存
    </button>
  );
}

判断の目安はシンプルです。1要素・1回きり・状態の出し入れが要らないならWAAPI。入退場の出し入れや、複数要素の連動、レイアウトの追従が絡んだら、自前で書くと泥沼になるのでFramer Motionに任せる。この線引きで、僕はだいたい迷わなくなりました。

Claude Codeに頼むときの依頼文

ここからは実務の話です。アニメーションをClaude Codeに任せると、放っておくと古いAPIや退場の効かないコードを書いてきます。だから依頼文で先回りして縛ります。

このReactコンポーネントに開閉アニメーションを追加してください。
- ライブラリは motion パッケージ(import は "motion/react"。framer-motion ではない)を使う
- 開くときだけでなく、閉じるときの退場アニメも AnimatePresence で実装する
- prefers-reduced-motion を尊重し、その設定では動きを無効化する
- アニメーションで隠れる情報を作らない(状態はテキストでも伝える)
- 追加した依存・変更ファイル・375px幅での確認結果を最後に報告する

この依頼文がなぜ効くか。一つ目にパッケージ名を固定しているので、framer-motion の古い書き方を防げます。二つ目に退場アニメを明示しているので、冒頭の「閉じると一瞬で消える」事故を最初から潰せます。三つ目にreduce motionと情報の代替を要求しているので、アクセシビリティの抜けを後から指摘する手間が消えます。

レビューのときは、生成コードの import 行と、条件分岐が AnimatePresence の内側にあるか、key が安定しているかを真っ先に見ます。この3点が合っていれば、だいたい動きます。

僕がやらかした失敗3つ

正直に書きます。Framer Motionで何度も転びました。

ひとつ目は、AnimatePresence の外で条件分岐したこと{open && <AnimatePresence>...</AnimatePresence>} と書いてしまい、要素が消える前に AnimatePresence ごと消えるので退場が一切動かない。AnimatePresence は条件分岐の外側に置く、と覚えてからは一発で動くようになりました。

ふたつ目は、配列のindexをkeyにしたことkey={index} でリストを回したら、並び替えたときにアニメーションが滅茶苦茶になりました。Reactのkeyの注意点と同じで、AnimatePresencelayout も、安定したID(item.id)で要素を追跡しています。indexは並び替えで意味が変わるのでダメです。

みっつ目は、何でもFramer Motionで書いたこと。スピナーの回転までライブラリでやって、バンドルを無駄に太らせました。@keyframes 数行で済む回転に数十KBを払う意味はありません。今は「CSSで無理?」を先に通してから、ダメなものだけライブラリに回しています。

よくある質問

Q. framer-motionmotion、どっちをインストールすればいい? 今は motion です。npm install motion で入れて、import { motion } from "motion/react" で使います。framer-motion は古いパッケージ名で、ネット上の記事はまだそちらが多いので、生成コードを見たら最初に置き換えます。

Q. 退場アニメ(exit)が動かない。 だいたい原因は3つです。(1)条件分岐が AnimatePresence の内側にあるか、(2)直下の子に key が付いているか、(3)motion.div を使っているか(素の div だと効きません)。この順で確認してください。

Q. CSSのトランジションと、何が決定的に違うの? CSSは「存在し続ける要素」のプロパティ変化しか動かせません。DOMから消える要素や、位置がレイアウトごと変わる要素は守備範囲外です。Framer Motionはその2つ、つまり退場(AnimatePresence)と位置追従(layout)を肩代わりしてくれます。

Q. バンドルサイズが心配。軽くする方法は? まず「本当にライブラリが要るか」を疑うのが一番効きます。フェードイン・ホバー・スクロール表示はCSSで十分です。それでも入れるなら、motion は使う機能だけ読み込む設計なので、motion/react から必要なものだけimportします。単発演出はWeb Animations APIで依存ゼロにできます。

Q. SSR(Next.jsのApp Router等)で使える? 使えますが、motion のコンポーネントはクライアント側で動くので、そのファイルの先頭に "use client" を付けます。サーバーコンポーネントのままだと初期化されず、アニメーションが効きません。

まとめ:CSSで詰んだら、その一線だけ越える

アニメーションは「全部ライブラリ」でも「全部CSS」でもありません。線引きが全部です。

ホバー、フェードイン、スクロール表示、スピナー——ここはCSSの領分。軽くて確実なので、わざわざライブラリを入れない(CSSの詰まりどころは姉妹記事に集約しました)。一方、要素が消える瞬間レイアウトが変わる動きは、CSSの設計思想の外側にあります。ここだけFramer Motionの AnimatePresencelayout を借りる。単発の演出なら、依存ゼロのWeb Animations APIで足ります。

土台の設計やパフォーマンスが気になってきたら、Claude CodeデザインシステムClaude Codeパフォーマンス最適化も合わせて読むと、動きを足す前提の整理に役立ちます。チームでClaude Codeの使い方ごと整えたいなら、研修・相談でこの線引きを一緒に詰めます。

実際に試した結果

この記事のコードは、手元のReactプロジェクトで実際に動かして確認しました。一番効いたのは、Claude Codeへの依頼文で motion パッケージを名指ししたことです。固定しないと、半分くらいの確率で framer-motion の古い書き方が返ってきて、importの修正から始める羽目になりました。

退場アニメも、最初は条件分岐の位置で何度もハマりました。AnimatePresence を分岐の外に出した瞬間に動いたときは、正直拍子抜けしたくらいです。逆に、スクロールで一度だけ出すフェードインをFramer Motionで書いてみたら、CSS版と見た目はほぼ同じなのにバンドルだけ太りました。やっぱり「CSSで無理か?」を先に通すのが、遠回りに見えていちばん速い。ライブラリは万能薬ではなく、CSSが届かない一線を越えるための道具だ、というのが今の実感です。

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この記事を書いた人

Masa

Claude Codeの実務活用、導入設計、収益導線改善を検証しているエンジニア。10言語の技術メディアを運営中。

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