Use Cases (更新: 2026/6/7)

リフォーム会社の提案書と施工事例ページを、Claude Codeで半分の時間で作る

提案書づくりと施工事例ページの更新に追われるリフォーム会社の営業・職人へ。Claude Codeに任せる範囲、人が判断する範囲、コピペで使えるプロンプトと検証スクリプトまで実例で。

リフォーム会社の提案書と施工事例ページを、Claude Codeで半分の時間で作る

金曜の夜10時。明日が現地調査の提案だというのに、僕の知り合いの営業さんはまだ会社にいました。やっていたのは「前に似たキッチン改修の提案、どこにあったっけ」というファイル探し。去年の見積りをコピーして、お客さんの名前を1か所書き換え忘れて、別のお客さんの名前のまま印刷しかけた——そんな話を聞いたのは一度や二度じゃありません。

リフォームの仕事って、現場と職人の段取りが本業のはずなのに、気づけば書類づくりに夜が溶けていく。提案書、見積りの説明文、施工事例ページの更新、Before/After写真のキャプション。どれも「お客さんに伝わるか」が勝負なのに、時間が足りなくて使い回しの文章になってしまう。

この「文章の使い回し地獄」から抜けるのに、Claude Codeがかなり効きます。今日は、リフォーム会社の営業さんと職人さんが、提案書と施工事例ページの作成をどこまでAIに渡せるか、僕が実際に試した形で書きます。

この記事の要点

  • 提案書のたたき台と施工事例ページの文章は、Claude Codeに8割書かせて人が2割直す形が一番速い。
  • 現地調査メモと過去の事例を渡すだけで、お客さん向けの提案文・工事の流れ・概算の根拠を下書きしてくれる。
  • 金額の最終決定、構造や法規にかかわる判断、お客さんの個人情報の扱いは人が必ず止める。
  • お客さんの住所・氏名・写真をそのままAIに渡さない運用にすれば、個人情報の事故を避けられる。
  • 提案書1本あたり1.5〜2時間が30分に縮んだ。月20本なら20時間以上の節約になる。

リフォーム会社のどんな人に効くのか

想定している読者は、5〜30人くらいの工務店・リフォーム会社で、提案と現場を兼ねている営業さん。あるいは、自分の仕事をブログや事例ページで発信したいけれど文章が苦手な職人さんです。マーケ専任がいない会社ほど刺さります。

リフォームの受注までの流れは、だいたいこうなっています。

  1. 問い合わせ・反響を受ける
  2. 現地調査でお客さんの要望と建物の状態を確認する
  3. プランと概算を作り、提案書にまとめる
  4. 提案・見積り提示、契約
  5. 工事、引き渡し
  6. 完成写真を撮り、施工事例ページに載せる

このうち③の提案書づくりと⑥の事例ページ更新が、本業じゃないのに一番時間を食う2大ボトルネックです。しかもこの2つ、扱う情報が近い。現地調査メモ→提案書→工事→事例ページと、同じ案件の情報が形を変えて流れていくだけなんですね。だからまとめてAIに任せやすい。

よくある手戻りと困りごと

僕が現場の人から聞いた「あるある」を並べます。心当たり、ありませんか。

  • 過去の提案書をコピーして、前のお客さんの名前や金額が残ったまま渡してしまう。
  • 提案文がいつも同じ言い回しで、お客さんから「テンプレ感」を見抜かれる。
  • 施工事例ページが半年止まっている。撮った写真がパソコンに眠ったまま。
  • 職人さんが書いた工事の説明が専門的すぎて、お客さんに伝わらない。
  • 概算の根拠を口頭でしか言えず、後で「言った言わない」になる。

どれも「文章を一から書く時間がない」が根っこです。ここをAIに肩代わりさせると、本来やりたい現場の段取りに時間を戻せます。

使い方その1:現地調査メモから提案書のたたき台を作る

一番効くのがこれです。現地調査でメモした要望と建物の状態を渡すと、お客さん向けの提案文・工事の流れ・概算の根拠を下書きしてくれます。

ポイントは、最初に「型」を決めておくこと。提案書のセクション構成を固定して、毎回そこに流し込ませると品質がぶれません。下のプロンプトをコピーして、自社の言葉に直して使ってください。

あなたはリフォーム会社のベテラン営業です。
以下の現地調査メモをもとに、お客様向け提案書のたたき台を作ってください。

【出力の型】
1. お客様の要望の整理(3行で)
2. ご提案するプランの概要
3. 工事の流れ(番号付き、お客様目線の言葉で)
4. 概算金額の根拠(項目ごとに、なぜその費用がかかるか一言ずつ)
5. 工事中のお客様へのお願い・注意点

【守ること】
- 専門用語は使ったらカッコ内でやさしく言い換える
- 金額は私が確定するので「※要確認」と明記する
- メモにない情報は推測で埋めず「現地確認が必要」と書く

【現地調査メモ】
(ここに調査メモを貼る。住所・氏名は伏せ字でよい)

最後の「メモにない情報は推測で埋めない」が大事です。これを書かないと、AIは平気で「築20年想定」とか「水回り一式交換が一般的です」みたいな勝手な前提を足してきます。リフォームでそれをやると事故るので、わからないことは「現地確認が必要」と書かせる。

使い方その2:職人さんの工事メモを施工事例ページの文章に直す

施工事例ページが止まる原因は、たいてい「写真はあるけど文章が書けない」です。職人さんが現場で残した短いメモを、お客さん向けの読みやすい文章に変換させます。

職人さんのメモは断片でかまいません。「浴室 タイル割れ 在来からユニットバスへ 1坪 3日」みたいなメモでも、こう頼めば形になります。

あなたはリフォーム会社の広報担当です。
職人の現場メモを、施工事例ページ用のお客様向け文章に直してください。

【出力の型】
- 見出し(30字以内、検索を意識して「地域名+工事内容」を含める)
- お客様が抱えていたお悩み(2〜3行)
- 工事の内容と工夫したポイント(専門用語は言い換える)
- 工事後の変化(お客様の声があれば自然に入れる)
- 同じ悩みを持つ方へのひとこと

【守ること】
- メモにない効果や数字を盛らない
- 「絶対」「完全に」など断定しすぎる表現は避ける

【職人の現場メモ】
(ここにメモを貼る)

この型のいいところは、見出しに地域名と工事内容を入れさせている点です。「世田谷 浴室リフォーム」のような検索でお客さんが探すので、そこを外すと事例ページがいくら増えても問い合わせにつながりません。文章の書き方そのものを深めたい人は、Claude Codeのプロンプト設計の応用も合わせて読むと、型の作り込みが楽になります。

使い方その3:個人情報を抜いてから渡す前処理

ここが地味だけど一番大事な使い方です。お客さんの住所・氏名・電話番号をそのままAIに貼るのは避けたい。そこで、貼る前に個人情報を伏せ字に置き換える小さなスクリプトを1つ持っておきます。

下はNode.jsで動く検証スクリプトです。調査メモのテキストファイルを読み込んで、電話番号・メール・郵便番号を伏せ字にし、残っていないかチェックして表示します。コピーして mask.mjs として保存し、node mask.mjs memo.txt で実行できます。

import { readFile } from "node:fs/promises";

const file = process.argv[2] || "memo.txt";
let text = await readFile(file, "utf8");

// 電話番号・メール・郵便番号を伏せ字に置き換える
const rules = [
  [/0\d{1,4}-?\d{1,4}-?\d{3,4}/g, "[電話番号]"],
  [/[\w.+-]+@[\w-]+\.[\w.-]+/g, "[メール]"],
  [/〒?\d{3}-?\d{4}/g, "[郵便番号]"],
];

let hits = 0;
for (const [pattern, label] of rules) {
  text = text.replace(pattern, () => { hits++; return label; });
}

console.log("--- 伏せ字にしたテキスト ---");
console.log(text);
console.log(`\n置き換えた件数: ${hits}`);
if (hits === 0) console.log("注意: 何も検出されませんでした。氏名・住所は手動で確認してください。");

このスクリプトは電話・メール・郵便番号しか拾えません。氏名や住所は形が決まっていないので、最後は人の目で確認します。それでも「貼る前にひと手間かける癖」がつくだけで、個人情報がそのままクラウドに流れる事故はぐっと減ります。Claude Codeを初めて触る人は、先にClaude Codeのはじめ方ガイドでインストールと基本操作だけ済ませておくと、このスクリプトもすぐ動かせます。

AIに任せる範囲と、人が必ず判断する範囲

線引きをはっきりさせておきます。ここを曖昧にすると、便利さより事故が勝ちます。

作業Claude Codeに任せる人が必ず判断する
提案文の下書き文章の生成・言い換え内容が事実か、誇張がないか
概算金額根拠の文章化金額そのものの確定
構造・法規一般論の説明文耐震・防火・確認申請の要否
施工事例ページ見出しと本文の作成写真の選定、お客さんの掲載許可
個人情報伏せ字後のテキスト処理氏名・住所が残っていないかの最終確認

覚え方はシンプルで、「お金・安全・人の名前」は人が止める。それ以外の文章仕事はどんどん任せる。この分け方なら、職人さんでも迷いません。社内のルールとして残しておきたい人は、CLAUDE.mdのベストプラクティスを参考に、上の表をそのままプロジェクトのルールファイルに書いておくと、毎回同じ基準で動かせます。

導入前と後で、何が変わったか

僕が知っている小さなリフォーム会社(営業3人)の体感です。

導入前は、提案書1本に1.5〜2時間。過去ファイル探しと、ゼロから書く文章で時間が溶けていました。施工事例ページの更新は「気が向いたら」で、半年で2本しか増えていませんでした。

導入後は、現地調査メモを伏せ字にして渡し、たたき台が出てくるまで5分。人が直すのが20〜25分。合わせて30分前後に縮みました。事例ページも、職人さんのメモから月4〜5本作れるようになり、地域名検索からの問い合わせが少しずつ増えています。

ROIの目安をざっくり出すと、提案書が1本あたり90分の節約で月20本なら30時間。時給換算2,500円なら月7.5万円ぶんの時間が浮く計算です。ツール代より、浮いた時間で現場をもう1件回れることのほうが、現場の人にとっては大きいはずです。

セキュリティと個人情報の注意点

リフォームは住所・図面・家族構成まで扱う、個人情報の塊のような仕事です。だからこそ3つだけ守ってください。

  • お客さんの氏名・住所・電話・図面の生データをそのまま貼らない。上のスクリプトで伏せ字にしてから渡す。
  • 施工事例ページに写真を載せる前に、お客さんから掲載の許可を文書で取る。表札やナンバープレートが写り込んでいないか確認する。
  • 会社で使うなら、無料の個人向けプランではなく、入力データを学習に使わない契約のプランかを確認する。

このあたりの「安全に任せるための土台」をもっと深掘りしたい人は、非エンジニアのためのClaude Code入門に権限とバックアップの考え方がまとまっています。公的な個人情報の考え方は、個人情報保護委員会の公式サイトが一次情報として確実です。

よくある質問

Q. パソコンが苦手な職人でも使えますか。 A. 文章を頼む部分だけなら、日本語で指示するだけです。むずかしいのは最初のインストールだけなので、そこは詳しい人に1回手伝ってもらえば、あとはメモを貼って頼むの繰り返しです。

Q. AIが作った提案書をそのままお客さんに渡していいですか。 A. ダメです。金額と、構造・法規にかかわる部分は必ず人が確認します。AIはあくまで「たたき台を速く出す係」で、最終責任は人が持ちます。

Q. 自社の過去の提案書をAIに覚えさせられますか。 A. 過去の提案書を伏せ字にしてから渡せば、文体や構成を真似た下書きを作れます。よく使う型はCLAUDE.mdのベストプラクティスの要領でルール化しておくと、毎回貼り直さずに済みます。

Q. 月にどれくらい時間が浮きますか。 A. 提案書が月20本なら、僕が見た会社では20〜30時間ほど浮きました。事例ページの更新が回り出すと、問い合わせが増える効果も後からついてきます。

Q. 仕事の速さをもっと上げるコツはありますか。 A. Claude Codeの生産性アップのコツに、型を使い回す・指示を短くする・確認をコマンドに任せる、といった現場で効く小ワザがまとまっています。

実際に試した結果

実際に、架空の浴室改修の現地調査メモを自分で書いて、上の3つを通しで試しました。まず伏せ字スクリプトにかけたら、電話番号と郵便番号が2件きれいに置き換わりました。氏名は形が決まっていないので残り、ここは手で消す必要があると改めて分かりました。スクリプト任せにしないのが正解です。

次に提案書のたたき台を出させたら、工事の流れと概算の根拠まで5分で形になりました。ただ「ユニットバスは半日で交換可能」と断定で書いてきた箇所があり、ここは現場の実態と違うので直しました。やはり金額と工期は人が止める、という線引きは外せません。

施工事例ページのほうは、職人メモの断片から見出しと本文がそれらしく出てきて、地域名もきちんと入りました。一番の収穫は、文章を書く心理的なハードルが消えたことです。ゼロから書くのと、出てきた文を直すのとでは、職人さんの腰の重さがまるで違いました。会社単位で提案と事例づくりを底上げしたい人は、研修・相談で自社のフローに合わせた型づくりから始めるのが近道だと思います。

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Masa

この記事を書いた人

Masa

Claude Codeの実務活用、導入設計、収益導線改善を検証しているエンジニア。10言語の技術メディアを運営中。

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