Use Cases (更新: 2026/6/7)

不動産仲介の物件紹介文を量産する:Claude Codeでポータル掲載文を10分に短縮

不動産仲介の営業・店長向け。SUUMOやアットホームの掲載文づくりをClaude Codeで量産する手順。コピペできるプロンプト、検証スクリプト、個人情報の扱い方まで実例で紹介。

不動産仲介の物件紹介文を量産する:Claude Codeでポータル掲載文を10分に短縮

金曜の夕方、新着の媒介を3件預かった店長から「月曜の朝イチでポータルに載せといて」と言われたこと、ありませんか。

僕の知り合いの営業は、土曜の午前を丸ごと潰して掲載文を書いていました。間取りと駅距離はマイソクから拾える。でも「日当たり良好」「閑静な住宅街」みたいな決まり文句を3件分ひねり出すうちに、気づけば全部似た文章になっている。差別化どころか、自社の他物件と見分けがつかない。

そして月曜、上司から一言。「この2DKの紹介文、先週の別物件とほぼ同じだぞ」。

物件紹介文づくりは、不動産仲介の業務の中でいちばん「がんばっても評価されにくい」作業です。時間はかかる。質は属人化する。でも問い合わせの入口はここです。この記事では、その量産をClaude Codeに任せて、人は「最後の判断」だけに集中する形を作ります。

この記事の要点

  • 不動産仲介の物件紹介文・ポータル掲載文づくりは、Claude Codeに「下書きの量産」を任せると土曜の半日が10分前後に縮む
  • AIに任せるのは文章の生成と表記ゆれチェック、人が判断するのは事実確認・誇大広告・個人情報の3点
  • マイソク(物件概要書)の生データを渡すだけで、SUUMO向け・アットホーム向け・自社サイト向けに書き分けできる
  • コピペできるプロンプト雛形と、誇大広告ワードを機械的に弾く検証スクリプトを置いた
  • 顧客の名前・電話番号・売主情報はそのままAIに渡さない。マスキングのルールを先に決めておく

読者像と、いまの業務フローのどこが詰まるか

この記事が想定しているのは、売買でも賃貸でも、自分で物件を預かってポータルに載せる立場の人です。専任の制作担当を置けない中小の店舗、営業が掲載まで一人で回している店長、このあたりが一番効きます。

掲載までの流れを並べると、だいたいこうなります。

  1. 売主・貸主から媒介を預かる(マイソク、登記、現地写真が揃う)
  2. レインズに登録する
  3. SUUMO・アットホーム・自社サイトに掲載文と画像を載せる
  4. 反響が来たら追客する

詰まるのは3番です。1と2は転記作業なので速い。4は人と人の仕事です。でも3だけは「文章を書く」という、量と質が両立しにくい作業が挟まる。しかもポータルごとに文字数制限も推奨トーンも違うので、同じ物件でも書き分けが要る。ここが土曜を潰す犯人です。

よくある手戻りと、その正体

掲載文づくりで起きる手戻りは、ほぼ3種類に絞れます。

  • コピペ流用がバレる:前の物件の文をベースにして、駅名や面積を直し忘れる。「徒歩7分」のはずが前物件の「徒歩4分」のまま載る
  • 表記ゆれ:同じ店舗なのに「南向き」「南面」「日当たり良好」が物件ごとにバラバラで、サイト全体が雑に見える
  • 誇大広告でNG:「日本一」「完璧」「絶対に得」など、不動産公正競争規約で使えない表現を入れてしまい、ポータル側で差し戻される

3つとも、人の集中力が切れる夕方に起きます。だからこそ「機械にできるチェック」に寄せたい。Claude Codeは、この手戻りを下書き段階で潰すのが得意です。

導入前と後で、何が変わるか

数字は店舗の状況で変わりますが、僕が手元で計った概算を置いておきます。判断材料にしてください。

項目導入前(手書き)導入後(Claude Code下書き+人が確認)
1物件あたりの掲載文作成約40分約10分(生成3分+確認7分)
3ポータル書き分けさらに各15分プロンプト1回で3種同時生成
表記ゆれチェック目視のみ、漏れるスクリプトで機械チェック
月20物件の作業時間約13時間約3.5時間

ざっくり、月20物件を扱う店舗で 月9〜10時間 が浮く計算です。営業の時給を3,000円とみれば、月3万円弱のコスト削減。浮いた時間を内見対応や追客に回せるのが本当の価値です。

「AIに書かせると薄っぺらくなる」と思うかもしれません。逆です。生データを構造化して渡せば、人が夕方に書く流用文より具体的になります。Claude Codeの基本的な使い方はClaude Code導入ガイドに、エンジニアでない人向けの始め方は非エンジニアのためのClaude Codeにまとめてあります。

具体的なUse case 3つ

Use case 1:マイソク1枚から3ポータル分を一括生成

一番効くのがこれです。物件概要(所在地、価格、間取り、面積、駅距離、設備)を箇条書きで渡すだけで、SUUMO向け(読みやすさ重視)、アットホーム向け(設備の網羅性重視)、自社サイト向け(ストーリー性重視)の3パターンを書き分けてもらいます。

人がやるのは、出てきた3本を読んで事実が合っているか確認するだけ。ゼロから書くより、確認のほうが圧倒的に速いです。

Use case 2:キャッチコピーの案出し

「南向き角部屋・駅徒歩5分・ペット可」みたいな強みから、刺さるキャッチを10案出させます。ここはAIの量が効く場面です。10案から1つ選ぶのは人の仕事。1人で10案ひねり出すより、選ぶほうが質が上がります。

Use case 3:問い合わせ返信の下書き

「この物件、まだ空いてますか?」への一次返信を、丁寧語の雛形で用意させます。送信前に必ず人が読む前提で、空き状況や内見日程だけ差し替える。深夜の反響に翌朝すぐ返せるようになります。

AIに任せる範囲と、人が必ず判断する範囲

ここを曖昧にすると事故ります。線引きをはっきりさせておきます。

工程AIに任せる人が必ず判断する
文章の生成○ 下書き・書き分け・案出し最終の言い回し
事実(価格・面積・駅距離)× そのまま信じない○ マイソクと突き合わせ
誇大広告・規約△ 候補を弾くまで○ 最終OKの判断
個人情報× 渡さない○ マスキング後に渡す
公開ボタン× 押させない○ 人が押す

合言葉は「AIは下書き屋、人は校閲長」です。掲載に責任を持つのは宅建業者である自分たち。そこは絶対に渡さない。

コピペで使えるプロンプト雛形

そのまま使えます。【】 の中を自分の物件情報に差し替えてください。顧客名や売主名は入れないこと(後述)。

あなたは不動産仲介のベテラン制作担当です。以下の物件概要から、
ポータル掲載用の紹介文を3パターン作ってください。

# 物件概要
- 種別:【中古マンション】
- 価格:【3,480万円】
- 間取り:【2LDK / 専有面積 58.2㎡】
- 所在地:【東京都◯◯区△△ 3丁目】
- 最寄り:【□□線 ◯◯駅 徒歩5分】
- 築年:【2015年築】
- 向き・階数:【南向き / 7階】
- 設備:【オートロック・宅配ボックス・床暖房・浴室乾燥】
- 特記:【最上階角部屋・ペット相談可】

# 出力ルール
1. SUUMO向け(300字程度・読みやすさ重視・誇張なし)
2. アットホーム向け(250字程度・設備を網羅)
3. 自社サイト向け(400字程度・暮らしのイメージを描写)
- 不動産公正競争規約で禁止の表現(日本一・完璧・絶対・格安など)は使わない
- 事実は概要のとおりにし、書かれていない設備や条件を勝手に足さない
- 最後に「事実確認が必要な箇所」を箇条書きで指摘する

最後の「事実確認が必要な箇所」を指摘させるのがコツです。AIは推測で埋めがちなので、自分で「ここ怪しいです」と申告させると、人の確認が一気に速くなります。プロンプトをもっと磨きたい人はClaude Codeのプロンプト設計も合わせて読んでください。

誇大広告ワードを機械で弾く検証スクリプト

生成した文章に禁止ワードが残っていないか、目視だけだと夕方に必ず漏れます。Node.jsで動く検証スクリプトを置きます。掲載文をテキストファイルに保存して、node check-listing.mjs listing.txt と実行するだけです。

import { readFile } from "node:fs/promises";

// 不動産公正競争規約で原則使えない/注意が要る表現
const banned = [
  "日本一", "業界一", "最高", "最上級", "完全", "完璧",
  "絶対", "格安", "激安", "掘り出し物", "buy now",
  "二度とない", "今だけ", "特選", "厳選", "破格",
];

const file = process.argv[2] ?? "listing.txt";
const text = await readFile(file, "utf8");

const hits = banned.filter((w) => text.includes(w));

if (hits.length === 0) {
  console.log("OK: 禁止ワードは見つかりませんでした。");
} else {
  console.log("要修正: 次の表現が含まれています ->");
  for (const w of hits) console.log("  - " + w);
  process.exitCode = 1;
}

// 文字数も併せて確認(SUUMOは長すぎると読まれにくい)
console.log("文字数: " + [...text].length);

これはあくまで「一次フィルタ」です。規約は表現の文脈でも判断されるので、最終的には人の目が要ります。それでも、明らかなNGワードを夕方の疲れた頭で見逃すのを防げます。チェック項目を増やしたいときは、banned の配列に語を足すだけです。CLAUDE.md にこの禁止ワードリストを書いておくと、Claude Codeが生成時から避けてくれます。書き方はCLAUDE.md設計のベストプラクティスを参考にしてください。

個人情報・セキュリティの注意点

不動産仲介は個人情報の塊を扱う仕事です。ここは省略できません。

  • 売主・買主・貸主の氏名、電話番号、住所(部屋番号まで)はAIに渡さない。掲載文に必要なのは物件のスペックだけです
  • 登記情報や権利関係の詳細も渡さない。紹介文づくりには不要です
  • 渡す前にマスキングする。所在地は「◯◯区△△3丁目」まで、号棟・部屋番号は伏せる
  • 反響対応の下書きを作るときも、問い合わせ者の本文をそのまま貼らず、用件だけ抜き出して渡す
  • 会社として使うなら、入力データが学習に使われない契約形態かを情シスや顧問に確認しておく

要は「掲載に出す情報しか、AIにも見せない」。これを徹底すれば、紹介文づくりでの情報漏えいリスクはかなり下げられます。日々の使い方の細かいコツはClaude Code生産性アップのコツにもまとめています。公正競争規約の正確な範囲は、不動産公正取引協議会連合会の公式サイトで必ず一次情報を確認してください。

掲載前チェックリスト

公開ボタンを押す前に、これだけは人の目で。印刷して机に貼ってもいいくらいです。

  • 価格・面積・間取り・駅距離がマイソクと一致しているか
  • 前の物件からの流用で、駅名や数字が残っていないか
  • 禁止ワード(検証スクリプトを通したか)
  • 書かれていない設備を勝手に足していないか
  • 個人情報・部屋番号が本文に紛れていないか
  • 写真の枚数とポータルの規定が合っているか

よくある質問

Q. AIが書いた文章ってバレませんか? 生データを渡して書かせた文章は、夕方に流用で量産した文より具体的です。ただし、人の確認を飛ばすと不自然さや事実誤りが残ります。下書きとして使い、最後は自分の言葉で整えるのがおすすめです。

Q. 法律やレインズの規定に違反しませんか? 掲載の責任は宅建業者にあります。AIは下書きを出すだけで、規約適合の最終判断は人がやる前提です。検証スクリプトとチェックリストで二重に守ってください。

Q. パソコンが苦手でも使えますか? スクリプトを動かす部分は最初だけ詳しい人に頼んでも構いません。プロンプトを書いて下書きを出すだけなら、文章を入力できれば使えます。非エンジニア向けの始め方から入るとつまずきにくいです。

Q. 賃貸でも売買でも同じように使えますか? 使えます。プロンプトの物件概要を入れ替えるだけです。賃貸なら家賃・敷礼・初期費用、売買なら価格・管理費・修繕積立金を項目に足してください。

Q. 会社全体で表記を統一したいときは? 店舗の表記ルール(「南向き」で統一、など)をCLAUDE.mdに書いておくと、生成のたびに守られます。属人化していた言い回しを資産にできます。

実際に試した結果

僕は手元で、ダミーの中古マンション3件分のマイソク情報を使って、上のプロンプトとスクリプトを通しで試しました。

まず3件×3ポータルの計9本の下書きが、生成1回ずつで出てきました。読み返して直したのは、1本につき2〜3か所。「駅徒歩5分」を「徒歩約5分」に直すような、規約寄りの細かい調整が中心でした。ゼロから書くのと比べて、体感で4分の1の時間です。

検証スクリプトには、わざと「掘り出し物」「今だけ」を混ぜた文章を食わせてみました。狙いどおり2語とも検出され、終了コードも1で返りました。文字数カウントも出るので、SUUMO向けが長すぎないかをその場で判断できます。

いちばんの収穫は、表記ゆれが消えたことです。CLAUDE.mdに「向きは『南向き』表記で統一」と一行入れただけで、3件とも揃いました。夕方の疲れた頭で起きていた事故が、機械に肩代わりされた感覚です。下書きはAI、判断は人。この線引きさえ守れば、土曜の午前は内見と追客に使えます。

会社単位で仕組みとして入れたい、表記ルールやチェック体制まで整えたいなら、研修・相談で一緒に設計できます。まずは自分の手で試したい人は、無料の教材から始めてみてください。

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まず無料PDFで基本を固め、繰り返し使う作業はGumroad教材へ、チーム導入や権限設計は導入相談へ進めます。

Masa

この記事を書いた人

Masa

Claude Codeの実務活用、導入設計、収益導線改善を検証しているエンジニア。10言語の技術メディアを運営中。

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