Use Cases (更新: 2026/6/7)

Obsidianの古いメモをClaude Codeの指示書に変える10分ルーチン

Obsidianに溜めたメモが毎回ゴミになる人へ。事実・決定・未確認に仕分けして、Claude Codeがそのまま動ける指示書に変える朝の10分の型を紹介します。

Obsidianの古いメモをClaude Codeの指示書に変える10分ルーチン

火曜の朝、僕はObsidianの「記事リライト」ノートをそのままClaude Codeに貼りました。3週間ぶんのメモ、2000字くらい。返ってきたのは、先週もう直したはずの誘導文(ボタンの文言)を「直しましょう」という提案でした。

なぜか。そのノートには、3週間前の「無料PDFが弱いかも」という仮説と、先週「無料PDFを主導線に確定した」という決定が、同じ平坦な箇条書きで並んでいたからです。AIから見れば、どっちも「メモに書いてある同じ重さの情報」。だから決定を疑い直して、終わった作業をもう一度提案してきた。

メモが足りないんじゃありません。古い仮説と確定した決定がごちゃ混ぜのまま渡しているのが原因でした。今日はこれを、朝の10分で直す型の話をします。

この記事の要点

  • Obsidianの長いメモをそのまま貼ると、AIは古い仮説と確定事項を同じ重さで扱い、終わった作業を蒸し返す。
  • メモを「今日も正しい事実 / 決めたこと / まだ不明なこと / 次の一手 / 確認方法」の5枠に仕分けすると、渡す情報が減って判断の質が上がる。
  • 仕分けは10分で済む。下にコピペで動くNode.jsスクリプトを置いた。
  • 「事実か仮説か」を決めるのは人の仕事。文章を書くのがAIの仕事。ここを混ぜると事故る。
  • 入門記事なら無料の学習導線、業務改善なら相談、と読者の段階で出口を1つに絞る。

なぜ「メモをそのまま貼る」と事故るのか

Obsidianは情報をどんどん足せるのが長所です。でもAIに渡す場面では、それが裏目に出ます。

人間がノートを読むときは、無意識に「これは古い、これは最新」と重みづけしています。日付や前後関係から、勝手に取捨選択している。AIはそれをやってくれません。箇条書きの3行目も30行目も、等しく「現在の情報」として受け取ります。

だから3週間前の「〜かもしれない」が、今日の依頼で確定事項として扱われる。逆に先週確定したことが、ただの一案に格下げされる。冒頭の僕の事故は、まさにこれでした。メモが多いほど、渡す前に仕分ける必要が出てくるわけです。

10分でやる仕分けの型

毎朝、または作業を始める前に、対象のノートを次の5枠に分けます。多くて10分。これ以上時間をかけるなら、たぶん枠に入れすぎです。

  1. 今日も正しい事実を3つだけ残す。検証済みで、今日も成り立つものに限る。
  2. すでに決めた判断を2つ書く。「無料PDFを主導線にする」のような、もう動かさない方針。
  3. まだ不明なことを1つだけ書く。今日のAIへの依頼で確かめたいもの。
  4. 次の一手を一文にする。「誘導の段落を1つ書き直して公開URLを確認する」のように、動詞で終わる具体的な一手。
  5. 確認方法を書く。何が揃えば「できた」と言えるか。テスト実行、表示確認、リンク切れチェックなど。

枠の数を固定しているのには理由があります。事実3つ、決定2つ、不明1つ。これ以上増やすと、また「全部渡す」に逆戻りするからです。捨てる勇気を、枠の上限で強制しているんですね。

この5枠で書き直すと、Obsidianは「何でも放り込む倉庫」から「今日の作業台」に変わります。

AIに任せる範囲と、人が判断する範囲

ここを混ぜると事故ります。境界をはっきりさせておきます。

工程担当理由
事実か仮説かの判定AIは過去の仮説を確定扱いしがち
どの決定が今日も有効か方針の最新性は人しか知らない
5枠への並べ替え・要約AI(叩き台)機械的な整理は速い
指示書の文章化AI文章生成は得意
公開・本番反映の最終判断取り返しのつかない操作は止める

コツは、「これは事実です」と確定するボタンだけは人が押すこと。AIには叩き台を作らせ、仕分けの最終判断は手放さない。これだけで、決定を蒸し返される事故がほぼ消えます。

メモ管理そのものに不安があるなら、先に Obsidian連携の基本ObsidianのメモをClaude Codeの指示書にする方法 を読んでおくと、この型がすっと入ります。

コピペで使えるプロンプト雛形

仕分けの叩き台をAIに作らせるなら、この依頼文をそのまま使ってください。Obsidianのノート本文を最後に貼るだけです。

次のメモを、5つの枠に整理して。各枠の上限を必ず守ること。

- 今日も正しい事実: 3つまで(検証済みで今日も成り立つものだけ)
- すでに決めた判断: 2つまで(もう動かさない方針)
- まだ不明なこと: 1つだけ(今日確かめたいもの)
- 次の一手: 一文(動詞で終わる具体的な行動)
- 確認方法: できたと言える条件(テスト・表示確認など)

ルール:
- 「〜かもしれない」「〜の可能性」は事実に入れず、不明に回す。
- 古い決定と新しい決定が矛盾していたら、新しい方を採用し、古い方は捨てる。
- 枠に入りきらない情報は、無理に残さず削る。

メモ本文:
(ここにObsidianのノートを貼る)

ポイントは「上限を守れ」と明示することです。これを書かないと、AIは親切心で全部を残そうとします。残すより捨てるのが仕事だと、依頼文の中で伝えておく。

コピペで動く変換スクリプト

仕分け結果を、Claude Codeへの最初の依頼にそのまま貼れる形に整えるスクリプトです。Node.js 18以上で、追加インストールなしに動きます。shijisho.mjs として保存して node shijisho.mjs で実行してください。

// 5枠に仕分けしたメモを、Claude Codeへの指示書テキストに変換する
const note = {
  facts: [
    "スマホ表示でCTAが折り返さず収まっている",
    "Gumroadの商品URLは最新版に差し替え済み",
    "アクセス上位の記事は入門者向けの検索意図",
  ],
  decisions: [
    "無料PDFを主たる導線にする",
    "設定や権限で詰まった読者だけ有料の設定ガイドへ送る",
  ],
  unknowns: [
    "どの言語版がCTAのクリック率が最も低いか",
  ],
  nextAction: "CTA段落を1つ書き直し、公開URLが正しく開くか確認する",
  checks: [
    "本文の文字数が規定を満たす",
    "スマホ表示のスクリーンショットを撮る",
    "公開ページのh1と正規URLが意図どおりか確認",
  ],
};

// 上限を超えていないか機械的にチェック(仕分けの自己点検)
function validate(n) {
  const errors = [];
  if (n.facts.length > 3) errors.push("事実が多すぎます(3つまで)");
  if (n.decisions.length > 2) errors.push("決定が多すぎます(2つまで)");
  if (n.unknowns.length > 1) errors.push("不明が多すぎます(1つだけ)");
  if (!n.nextAction || !n.nextAction.trim()) errors.push("次の一手が空です");
  return errors;
}

function toBrief(n) {
  return [
    "【今日の事実】" + n.facts.join(" / "),
    "【決めたこと】" + n.decisions.join(" / "),
    "【まだ不明】" + n.unknowns.join(" / "),
    "【次の一手】" + n.nextAction,
    "【確認方法】" + n.checks.join(" / "),
  ].join("\n");
}

const errors = validate(note);
if (errors.length > 0) {
  console.error("仕分けが上限を超えています:");
  errors.forEach((e) => console.error("  - " + e));
  process.exit(1);
}

console.log(toBrief(note));

validate を入れたのが肝です。事実を4つ書いたまま気づかず渡す、という自分のミスを機械が弾いてくれます。出力された5行を、Claude Codeへの最初の依頼にそのまま貼る。古いアイデアを全部渡さず、今日の判断に使う事実だけを渡す、という型がこれで固定されます。

業務別の使いどころ3つ

枠の意味は同じでも、中身は仕事によって変わります。3つ挙げます。

1. 記事・コンテンツの運用 人気記事の検索意図、今の誘導先、次に売りたい教材を分けます。入門記事なら無料PDFを先に置き、設定で詰まる読者だけ有料の設定ガイドへ送る、と「次の一手」に書く。これで提案が毎回ぶれません。

2. 開発作業の引き継ぎ 再現できたバグの事実、直近の設計判断、まだ不明な原因を分けます。ここで原因の「仮説」を事実の枠に入れると、AIは間違った方向へ全力で走ります。原因が未確定なら、迷わず「まだ不明」へ。

3. 導入相談・打ち合わせの準備 お客さんが言った言葉、決まった作業範囲、次回聞く質問を分けます。「次の一手」に相談の成果物まで書いておくと、こちらから出す提案が具体的になります。

よくある落とし穴と直し方

最初の頃、僕がはまった失敗を3つ。直し方つきで書きます。

ひとつ目は、長いページを丸ごと貼ること。情報量は多いのに、判断は薄くなる。直し方は単純で、貼る前に5枠に削る。倉庫を渡すな、作業台を渡せ、です。

ふたつ目は、決定と未確定を混ぜること。「無料PDFが弱いかも」と「無料PDFを主導線に確定」を並べて貼ると、AIは確定事項を疑い始めます。「〜かも」は必ず「まだ不明」の枠へ移す。これだけで蒸し返しが止まります。

みっつ目は、確認方法を書かないこと。「できたら教えて」だけだと、AIは自分基準で「できた」と言ってきます。テスト実行、表示確認、リンク切れチェックのように、機械で判定できる条件を先に渡しておく。完成の定義を人が握っておくのがコツです。

よくある質問

Q. Obsidian以外のメモアプリでも使えますか。 A. 使えます。NotionでもApple純正のメモでも、5枠に仕分ける考え方は同じです。スクリプトはテキストさえ取り出せれば中身を問いません。

Q. 毎回10分も仕分ける時間がありません。 A. 全ノートをやる必要はありません。今日Claude Codeに渡す1ノートだけ仕分ければ十分です。慣れると3〜4分で終わります。

Q. 仕分け自体をAIに全部任せてはだめですか。 A. 叩き台までは任せてOKです。ただし「これは事実」「これは決定」と確定する最終判断は人が握ってください。ここを手放すと、冒頭の蒸し返し事故が戻ってきます。

Q. CLAUDE.mdに書くのと、毎回指示書を貼るのはどう違いますか。 A. 変わらない方針はCLAUDE.mdへ、その日だけの事実と次の一手は指示書へ、と分けます。CLAUDE.mdの役割はAnthropic公式ドキュメントにもまとまっています。書き方は CLAUDE.mdの書き方権限の設定レシピ も参照してください。

Q. プロンプトの精度をもっと上げたいです。 A. プロンプトの組み立て方 に、依頼文を安定させる具体策をまとめています。仕分けの型と合わせると効果が出ます。

実際に試した結果

冒頭の蒸し返し事故のあと、同じノートを5枠に仕分けてから渡してみました。確かめたのは2点です。

ひとつは、決定を疑い直す返答が消えるか。「無料PDFを主導線に確定」を【決めたこと】の枠に1行で置いただけで、AIはその方針を前提に動き、もう蒸し返してきませんでした。仕分けに使った時間は実測でだいたい4分。

もうひとつは、validate が本当にミスを弾くか。わざと事実を4つ書いて実行したら、想定どおり「事実が多すぎます」で止まりました。これがあると、寝起きの自分でも上限を破れません。賢い指示文を考えるより、渡す前に削る型を1つ持つほうが、結局いちばん速い。今はそう感じています。

この型をチームの作業改善まで広げたいなら、研修・相談 で実際の運用に落とし込めます。

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Masa

この記事を書いた人

Masa

Claude Codeの実務活用、導入設計、収益導線改善を検証しているエンジニア。10言語の技術メディアを運営中。

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