Use Cases (更新: 2026/6/7)

カフェの口コミ返信と季節メニュー告知を、生成AIで半分の時間にする

カフェのオーナー向けに、Claude Code/生成AIで口コミ返信と季節メニュー告知の下書きを作る手順を、コピペできるプロンプトと検証コード付きで紹介します。

カフェの口コミ返信と季節メニュー告知を、生成AIで半分の時間にする

夜の11時。閉店作業を終えてレジ締めも済んで、やっとイスに座る。スマホを開くと、Googleマップに星3つの口コミが1件。「コーヒーは美味しかったけど、店員さんの対応が冷たく感じた」。

ムッとする気持ちと、申し訳ない気持ちが半々で湧いてくる。返信しなきゃ、でも何て書けばいい。怒っているように見えてもダメだし、テンプレ丸出しでもダメ。10分くらい文面を練って、結局「貴重なご意見ありがとうございます」で送る。これでよかったのかな、と思いながら寝る。

僕がカフェのオーナーさんに話を聞くと、だいたいこの「夜の返信タイム」で消耗しています。さらに月初には季節メニューの告知文。Instagram、X、店頭ポップ、それぞれ書き分けるのが地味につらい。

このあたり、生成AIに「下書き」を作らせると一気に楽になります。今日はその具体的なやり方を、コピペできるプロンプトと一緒に書きます。

この記事の要点

  • 口コミ返信と季節メニュー告知は、AIに「下書き」まで作らせて、人が最後の温度調整だけする分担が一番事故らない
  • そのまま貼れるプロンプト雛形を3つ用意した。店名と特徴を差し替えれば今日から使える
  • 投稿前チェックリストと、誤情報を弾く検証スクリプトを置いた
  • 個人情報(来店者の名前・予約内容)はAIに渡さない。これだけは線引きをはっきりさせる
  • 月20時間ほどかかっていた文章作業が、体感で半分以下になる目安

まず、誰のための話か

想定しているのは、こんなオーナーさんです。

  • 客席20席前後、スタッフ2〜4人の個人経営カフェ
  • オーナー自身が接客も仕入れもSNSもやっている
  • Googleマップと Instagram は気になるけど、手が回っていない
  • 文章を書くのは嫌いじゃないが、そこに時間を割く余裕がない

大手チェーンのように専属の広報がいるわけじゃない。だから「文章を書く時間」がそのまま「仕込みや休憩の時間」を削っています。ここを生成AIで取り戻す、という話です。

カフェの「文章まわり」の業務フロー

整理すると、カフェの文章仕事はだいたいこの流れです。

場面いつ発生するか今かかっている時間(1件あたり)
口コミ返信(高評価)不定期、週に数件5〜10分
口コミ返信(低評価・クレーム)たまに、でも消耗が大きい15〜30分
季節メニュー告知(SNS)月1〜2回30〜60分
季節メニュー告知(店頭ポップ)月1〜2回20〜40分
イベント・臨時休業のお知らせ不定期10〜20分

この表を眺めると、消耗ポイントがはっきりします。低評価への返信と、季節メニューの告知です。前者は精神的にしんどい。後者は単純に時間を食う。どちらもAIの下書きが効く場所です。

よくある手戻り

オーナーさんがやりがちな失敗を、僕が見てきた範囲で挙げます。

  1. 低評価に感情のまま返信して、後で読み返して青ざめる
  2. 全部の口コミに同じ定型文を貼って、常連さんに「またこれか」と思われる
  3. 告知文を書くのに乗らなくて、季節メニューの旬を逃す
  4. SNSとポップで言っていることが微妙に違って、お客さんが混乱する
  5. 「映え」を狙いすぎて、肝心の値段と提供期間を書き忘れる

どれも、文章が苦手というより「忙しい中で集中力を保てない」ことが原因です。だからこそ、最初のたたき台を機械に作らせる価値があります。

AIに任せる範囲と、人が必ず判断する範囲

ここを曖昧にすると事故ります。線引きを表にします。

工程AIに任せる人が必ず判断する
口コミ返信3案の下書き、丁寧語の調整事実確認、謝罪するか・どこまで認めるか
季節メニュー告知構成、キャッチコピー、ハッシュタグ案価格・提供期間・アレルゲン表記の正しさ
店頭ポップ短い惹句、レイアウト案店の雰囲気に合うトーンか
投稿のタイミング案の提示最終的な公開ボタン

原則はひとつ。「正しさ」と「店の責任」が絡む部分は、人が必ず目を通す。AIは下書き係であって、店長ではありません。

Use case 1: 口コミ返信を3案作る

低評価への返信が一番しんどいので、ここから。やることは「口コミ本文をAIに渡して、トーンの違う3案を出させる」だけです。

そのまま使えるプロンプトがこちらです。店名と特徴の行だけ書き換えてください。

あなたは個人経営カフェのオーナーです。以下の口コミに返信する文面を3案作ってください。

# 店の情報
- 店名: 木漏れ日珈琲
- 特徴: 自家焙煎、静かな雰囲気、一人客が多い
- 大切にしていること: お客様に居心地よく過ごしてもらうこと

# いただいた口コミ(星3)
コーヒーは美味しかったけど、混んでいる時間に行ったら店員さんの対応が
そっけなく感じました。

# 返信の条件
- 案A: 丁寧で誠実、まず受け止める
- 案B: 少し人柄が出る、親しみのある言葉
- 案C: 簡潔だが冷たくない
- 共通: 言い訳をしない、改善する姿勢を一言入れる、150字以内
- 事実をでっち上げない。割引やサービスの約束はしない

出てきた3案から、その日の気分と相手の温度に合うものを選び、固有名詞や言い回しを少し直して送る。これで夜の10分が2分になります。

高評価の口コミにも同じ形で使えます。「全案ポジティブに、でも定型文っぽくならないように」と条件を変えるだけです。

Use case 2: 季節メニュー告知をチャネル別に書き分ける

夏の新作「桃のクリームソーダ」を告知するとします。Instagram、X、店頭ポップで一度に書き分けさせます。

新メニューの告知文を、3つの場所それぞれに合わせて作ってください。

# メニュー情報
- 名前: 桃のクリームソーダ
- 価格: 750円(税込)
- 提供期間: 7月1日〜8月末(桃がなくなり次第終了)
- 特徴: 山梨産の白桃、自家製シロップ、炭酸は強め
- アレルゲン: 乳

# 書き分けの条件
1. Instagram: 写真前提、絵文字あり、ハッシュタグ8個、200字以内
2. X(旧Twitter): 端的に、リンク導線なし、120字以内
3. 店頭ポップ: 手書き想定、3行以内、価格と期間を必ず入れる
- 価格・提供期間・アレルゲンは絶対に変えない
- 誇大表現(最高・絶対・日本一など)は使わない

ポイントは「価格・期間・アレルゲンは絶対に変えるな」と釘を刺すこと。AIは雰囲気を盛ろうとして数字をいじることがあります。固定したい事実は明示します。

Use case 3: 投稿前チェックリストで事故を防ぐ

下書きができても、そのまま投稿すると抜けが出ます。投稿ボタンを押す前に、これを毎回見てください。

  • 価格は税込で正しいか
  • 提供期間の日付は合っているか(曜日も)
  • アレルゲン表記は漏れていないか
  • 店名・地名・人名に誤字はないか
  • お客さんの名前や予約内容など、個人情報が混ざっていないか
  • 誇大表現や、守れない約束を書いていないか
  • SNSとポップで言っていることが食い違っていないか

このチェックは人がやるべき部分です。AIに「チェックして」と頼んでも、AI自身がでっち上げた数字を見抜けないことがあるからです。

コピペで使える検証スクリプト

「価格と提供期間が告知文にちゃんと残っているか」だけは、機械でも確認できます。AIが数字を勝手に変えていないかの最終チェックに使ってください。Node.js があれば動きます。node check-promo.mjs で実行します。

// check-promo.mjs
// 告知文に「正しい価格・期間・アレルゲン」が残っているか機械的に確認する
const draft = `桃のクリームソーダ、はじめました。
山梨産の白桃をまるごと、自家製シロップでどうぞ。
750円(税込)/ 7月1日〜8月末まで / アレルゲン: 乳`;

// 投稿前に「絶対に正しい」と決めた事実を、ここに手で書き込む
const facts = {
  価格: "750円",
  期間開始: "7月1日",
  期間終了: "8月末",
  アレルゲン: "乳",
};

const missing = Object.entries(facts).filter(
  ([, value]) => !draft.includes(value),
);

if (missing.length === 0) {
  console.log("OK: 価格・期間・アレルゲンはすべて告知文に含まれています。");
} else {
  console.log("要確認: 以下が告知文に見当たりません。");
  for (const [key, value] of missing) {
    console.log(`  - ${key}: ${value}`);
  }
  process.exitCode = 1;
}

やっていることは単純で、「正しいと決めた数字が、文章の中に文字として残っているか」を照合するだけです。それでも、AIが「750円」を「780円」に書き換えるような事故は確実に止まります。地味ですが、この門番があると安心して任せられます。

慣れてきたら、こういう確認や下書き作りを Claude Code に手順として覚えさせると、毎回プロンプトを打ち直さずに済みます。仕組みの作り方はClaude Codeを非エンジニアが使う話はじめの一歩ガイドが入り口になります。プロンプトの精度を上げたいならプロンプトの考え方も合わせてどうぞ。

導入の前と後で、何が変わるか

数字はあくまで目安です。僕が聞いた範囲の、ざっくりした変化を置きます。

項目導入前導入後
低評価への返信1件20分、気が重い1件5分、たたき台があるので冷静
季節メニュー告知(3チャネル)60〜90分20〜30分
月の文章作業の合計約20時間約8〜10時間
旬を逃す告知たまにあるほぼなくなる

仮に文章作業が月10時間減って、その時間を時給1,500円で換算すると、月15,000円ぶんの余裕が生まれる計算です。お金というより、仕込みや休憩に回せる時間が戻ってくる、という感覚に近いです。

個人情報とセキュリティの注意

楽になるぶん、線引きは厳しくします。

  • 来店者の名前、予約内容、電話番号、クレジット情報はAIに貼らない。口コミ返信なら、公開されている口コミ本文だけを渡す
  • 口コミ投稿者が実名や具体的な来店日を書いていても、返信文ではこちらから繰り返さない
  • 無料の生成AIサービスは、入力が学習に使われる設定のことがある。業務で使うなら、入力をモデル学習に使わない設定やプランを選ぶ
  • スタッフと共有するなら、「何を貼ってよくて、何がダメか」を1枚の紙にして貼っておく

公式の考え方はGoogleビジネスプロフィールのクチコミに関するポリシーも一度目を通しておくと安心です。返信の体裁で迷ったときの基準になります。

よくある質問

Q. AIに任せると、返信が機械的でバレませんか。 A. 「下書き」で止めて、最後に自分の言葉を一文足すだけで、ぐっと人間味が出ます。丸ごとコピペしないのがコツです。常連さんには名前や前回の話に触れる一言を、自分で足してください。

Q. うちは英語の口コミも来ます。対応できますか。 A. できます。プロンプトに「英語の口コミには英語で、日本語には日本語で返信」と書けば、言語を判定して返します。ただし内容の事実確認は、いつも通り自分でやってください。

Q. 無料のツールで足りますか。お金をかけるべき? A. まずは無料の範囲で試して感触をつかむので十分です。毎日使うようになり、手順を固定したくなったら、有料プランや Claude Code のような仕組みを検討する順番でいいです。学習用の教材はこちらにまとめてあります。

Q. スタッフにも使わせたいです。 A. 個人情報の線引きと投稿前チェックリストを先に決めてから渡してください。店全体で導入を進めたいなら、運用ルールづくりから研修・相談で一緒に整えられます。

実際に試した結果

僕は知り合いのカフェの口コミ5件で、この3案プロンプトを実際に回しました。星2の厳しめの口コミでも、案Aは過剰に謝らず、でも冷たくない文面が出てきて、オーナーさんは「これなら自分も書けたかもだけど、夜中にこの冷静さは無理」と笑っていました。

季節メニューのほうは、検証スクリプトが一度ちゃんと仕事をしました。AIが「750円」を「税抜750円」と勝手に補足して、店の表記(税込)とズレたんです。スクリプトが「価格が見当たりません」と弾いて、投稿前に気づけました。

任せきりにせず、下書きと門番として使う。この距離感だと、文章仕事の消耗がはっきり減ります。まずは今夜来た口コミ1件から、3案を出させてみてください。

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この記事を書いた人

Masa

Claude Codeの実務活用、導入設計、収益導線改善を検証しているエンジニア。10言語の技術メディアを運営中。

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