Advanced (更新: 2026/6/7)

エラーハンドリング設計: 例外とResult型を境界で使い分けて復旧まで決める

try-catchを増やしても堅くならない。例外とResult型の使い分け、回復可否での分類、境界での集約、ユーザー向け文言と内部ログの分離、リトライをTypeScriptの動くコードで。

エラーハンドリング設計: 例外とResult型を境界で使い分けて復旧まで決める

「このエラー、いい感じに直しといて」

Claude Codeにそう頼んだら、関数という関数が try で包まれて返ってきました。動きはする。でも、入力ミスも決済APIの停止も夜間バッチのコケも、ぜんぶまとめて catch され、最後は同じ 500 になっていました。

障害が起きたとき、僕はログを開いて固まりました。ユーザーが悪いのか、連携先が落ちてるのか、もう一回ジョブを流せば直るのか——どれも判別できない。try-catch の数は増えたのに、調査の手がかりはゼロに近かったんです。

エラーハンドリングは「try-catch を足す作業」ではありません。どこで失敗を分類し、どこで復旧し、どこで人間に知らせるかを先に決める設計です。今日はその設計を、例外とResult型の使い分けを軸に、コピペで動くコード込みで書きます。

この記事の要点

  • エラーは「名前」より先に復旧方法で分ける。回復可能か/想定内か、で扱いが決まる。
  • 例外とResult型は対立しない。想定外は例外で落とす、想定内の失敗はResult型で返すと読みやすい。
  • 失敗の分類は**境界(入力・外部API・ジョブ・画面)**でやる。奥でバラバラに catch しない。
  • ユーザー向け文言と内部ログは分離する。画面にスタックトレースやSQLを出さない。
  • リトライは万能薬ではない。時間で回復する失敗だけに絞る。
  • 画面のエラー捕捉は Error Boundaryの実装、ログの読解は エラーメッセージの読み方 へ。この記事は「設計」に集中する。

エラーは「名前」ではなく「復旧方法」で分ける

最初にやりがちな失敗が、UserNotFoundError DbError ApiError みたいにエラー名から先に作ることです。名前を増やしても、呼び出し側が「で、どうすればいいの?」に答えられません。

先に決めるのは復旧方法です。問いは2つだけ。

  1. 回復できるか? ユーザーが入力を直せば成功するのか、しばらく待てば成功するのか、それとも手の打ちようがないのか。
  2. 想定内か? 起こると分かっていて設計に織り込んだ失敗か、それとも「来たらバグ」の異常事態か。

この2軸で並べると、扱い方が自然に決まります。

種類回復可否誰が直す扱い
入力検証エラーメール形式が不正、年齢が範囲外回復可ユーザー400 で即返す
外部API失敗(一時的)決済が 503、レート制限回復可(待てば)システムリトライ
外部API失敗(恒久的)レスポンス形が想定と違う回復不可開発者失敗を記録して止める
ジョブ/バッチ失敗夜間集計、CSV取込のコケ回復可(再実行)システム/運用再実行キュー・通知
想定外(バグ)undefined 参照、nullクラッシュ回復不可開発者例外で落としてアラート

ポイントは、message(人間向けの文章)だけで分岐しようとしないこと。文章は読みやすいけれど、プログラムが if (e.message.includes("invalid")) で判定し始めると、文言を変えた瞬間に壊れます。kind(種類)・code(機械可読なコード)・retryable(リトライ可否)・status(HTTPステータス)のような機械が読める情報を持たせる。これが設計の出発点です。

例外とResult型、どっちで返すか

ここがこの記事の核心です。「例外を使うべきか、Result型を使うべきか」は二択ではありません。役割が違うだけです。

例外(throw)は、想定外の事態を一気に上まで投げ上げる仕組みです。undefined.foo のようなバグ、設定ファイルの欠落、接続情報の誤り——「来たら設計が間違っている」たぐいの失敗は、握りつぶさず例外で落としてアラートに乗せたほうがいい。途中で雑に catch すると、バグが隠れて本番で静かに腐ります。

Result型は、想定内の失敗を「値」として返す入れ物です。成功なら値、失敗ならエラーを返す。型でいうとこんな形。

type Result<T> =
  | { ok: true; value: T }
  | { ok: false; error: AppError };

何がうれしいか。関数のシグネチャを見ただけで「この処理は失敗しうる」と分かることです。throw は型に出ません。callBillingApi(): Promise<{ customerId: string }> と書いてあっても、中で投げるかもしれない。一方 Promise<Result<{ customerId: string }>> なら、呼び出し側はコンパイラに「ok を分岐しろ」と強制されます。失敗の処理を忘れられないんです。

僕の使い分けはシンプルです。

  • API境界・外部連携・ジョブ境界のように「失敗が想定内で、復旧判断を明示したい」場所 → Result型で返す。
  • プログラム内部の不変条件が壊れた(来たらバグ)→ 例外で throw。境界の一番外側でまとめて捕まえる。

「例外を全部禁止してResult型に統一」は、やりすぎるとコードが入れ子だらけになって読みにくくなります。想定内はResult、想定外は例外。この線引きが、現場でいちばん落ち着きます。

コピペで動くTypeScriptサンプル

説明より動かすのが早いです。外部ライブラリなしで動きます。Node.js 18以上を想定し、TypeScriptを直接実行するために tsx だけ使います。実際の外部APIには接続せず、テストしやすいように fetcher を注入しています。

npm install -D tsx typescript
npx tsx error-patterns-demo.ts

error-patterns-demo.ts として保存してください。

// 失敗の「種類」。名前ではなく回復方法に対応させる
type ErrorKind = "validation" | "external" | "job" | "unexpected";

// アプリ共通のエラー型。message(人間向け)とは別に機械可読な情報を持たせる
type AppError = {
  kind: ErrorKind;       // どの境界の失敗か
  code: string;          // EMAIL_INVALID のような機械可読コード
  message: string;       // ログ・調査用。ユーザーにそのまま見せない前提
  retryable: boolean;    // 時間を置けば回復しうるか
  status: number;        // 境界の外(HTTP)へ出すときのステータス
  details?: Record<string, unknown>; // 調査に役立つ付帯情報
  cause?: unknown;       // 元の例外。原因チェーンを切らない
};

// 成功なら value、失敗なら error。型でどちらかに必ず分岐させる
type Result<T> =
  | { ok: true; value: T }
  | { ok: false; error: AppError };

const ok = <T>(value: T): Result<T> => ({ ok: true, value });
const fail = <T>(error: AppError): Result<T> => ({ ok: false, error });

// --- エラーを作る小さな工房。境界ごとに既定値を固定しておく ---
function validationError(code: string, message: string, details?: Record<string, unknown>): AppError {
  // ユーザーが直せる失敗。同じ内容で再送しても無駄なので retryable は false
  return { kind: "validation", code, message, retryable: false, status: 400, details };
}

function externalError(
  code: string,
  message: string,
  retryable: boolean,
  details?: Record<string, unknown>,
  cause?: unknown,
): AppError {
  // 一時的なら 503、恒久的(レスポンス形が違う等)なら 502 に寄せる
  return { kind: "external", code, message, retryable, status: retryable ? 503 : 502, details, cause };
}

function jobError(code: string, message: string, details?: Record<string, unknown>, cause?: unknown): AppError {
  // ジョブは基本やり直せる前提。再実行の判断材料を details に残す
  return { kind: "job", code, message, retryable: true, status: 500, details, cause };
}

type CreateUserInput = {
  email: string;
  age: number;
  plan: "free" | "pro";
};

// --- 境界1: 入力検証。受け取った直後に validation へ分類する ---
export function parseCreateUserInput(body: unknown): Result<CreateUserInput> {
  if (typeof body !== "object" || body === null) {
    return fail(validationError("BODY_REQUIRED", "リクエストボディがオブジェクトではありません"));
  }

  const record = body as Record<string, unknown>;
  const email = record.email;
  const age = record.age;
  const plan = record.plan ?? "free";

  if (typeof email !== "string" || !/^[^@\s]+@[^@\s]+\.[^@\s]+$/.test(email)) {
    return fail(validationError("EMAIL_INVALID", "メールアドレスの形式が不正です", { field: "email" }));
  }
  if (typeof age !== "number" || !Number.isInteger(age) || age < 13) {
    return fail(validationError("AGE_INVALID", "年齢は13以上の整数で入力してください", { field: "age" }));
  }
  if (plan !== "free" && plan !== "pro") {
    return fail(validationError("PLAN_INVALID", "プランは free か pro を指定してください", { field: "plan" }));
  }

  return ok({ email, age, plan });
}

type HttpResponse = { status: number; body: unknown };

// --- 境界の出口: Result を HTTP レスポンスへ変換。ここで内部情報を落とす ---
export function toHttpResponse<T>(result: Result<T>): HttpResponse {
  if (result.ok) return { status: 200, body: { data: result.value } };

  // ユーザーへ返すのは code/message/retryable/details だけ。cause(元例外)は出さない
  const { code, message, retryable, details } = result.error;
  return {
    status: result.error.status,
    body: { error: { code, message, retryable, details } },
  };
}

type FetchLike = (url: string, init?: { signal?: AbortSignal }) => Promise<Response>;

// --- 境界2: 外部API。タイムアウトを必ず付け、リトライ可否を分けて返す ---
export async function callBillingApi(
  userId: string,
  fetcher: FetchLike = fetch,
): Promise<Result<{ customerId: string }>> {
  const controller = new AbortController();
  const timer = setTimeout(() => controller.abort(), 3000); // 無期限待ちは枠を詰まらせる

  try {
    const response = await fetcher(`https://billing.example.test/customers/${userId}`, {
      signal: controller.signal,
    });

    if (!response.ok) {
      // 5xx は一時的とみなしリトライ可。4xx はこちら都合なのでリトライ不可
      return fail(
        externalError("BILLING_HTTP_ERROR", `課金APIが ${response.status} を返しました`, response.status >= 500, {
          status: response.status,
        }),
      );
    }

    const payload = (await response.json()) as { customerId?: unknown };
    if (typeof payload.customerId !== "string") {
      // レスポンス形が想定外。何度叩いても直らないので retryable は false
      return fail(externalError("BILLING_BAD_PAYLOAD", "課金APIの応答形式が不正です", false, { payload }));
    }

    return ok({ customerId: payload.customerId });
  } catch (cause) {
    // 通信そのものの失敗・タイムアウトは一時的とみなす
    return fail(externalError("BILLING_UNREACHABLE", "課金APIに到達できませんでした", true, undefined, cause));
  } finally {
    clearTimeout(timer);
  }
}

// --- 境界3: ジョブ。指定回数だけ再試行し、最後に job として残す ---
export async function runJob<T>(
  name: string,
  work: () => Promise<T>,
  options: { retries: number; delayMs: number } = { retries: 2, delayMs: 100 },
): Promise<Result<T>> {
  for (let attempt = 1; attempt <= options.retries + 1; attempt += 1) {
    try {
      return ok(await work());
    } catch (cause) {
      if (attempt <= options.retries) {
        await sleep(options.delayMs);
        continue;
      }
      // attempt を残すと「何回目で落ちたか」を後から追える
      return fail(jobError("JOB_FAILED", `${name} が ${attempt} 回試行後に失敗しました`, { attempt }, cause));
    }
  }

  return fail(jobError("JOB_FAILED", `${name} が想定外に失敗しました`));
}

function sleep(ms: number) {
  return new Promise((resolve) => setTimeout(resolve, ms));
}

async function demo() {
  // 入力検証: 400 が返り、どのフィールドが悪いかまで分かる
  console.log("validation:", toHttpResponse(parseCreateUserInput({ email: "bad", age: 10 })));

  // 外部API: 503 を一時障害として retryable: true で返す
  const billing = await callBillingApi("user_123", async () => new Response("Service unavailable", { status: 503 }));
  console.log("external:", billing);

  // ジョブ: 1回目は失敗、2回目で成功するシナリオ
  let count = 0;
  const job = await runJob("daily-report", async () => {
    count += 1;
    if (count < 2) throw new Error("temporary lock");
    return { exportedRows: 42 };
  });
  console.log("job:", job);
}

demo().catch((error) => {
  console.error(error);
  process.exitCode = 1;
});

走らせると、validation400externalretryable: true503job は2回目で成功した結果が並びます。同じ AppError という土台の上で、境界ごとに扱いが違うのが見えるはずです。

失敗は「境界」で集約する。奥でバラバラに捕まえない

設計でいちばん効くのが、捕まえる場所を境界に寄せることです。境界とは、アプリの内側と外側が接する場所——API入力、外部サービス呼び出し、ジョブの実行単位、画面表示、DB保存です。

ありがちな失敗は、関数の奥のほうで try-catch をして、その場で console.log して null を返す、を繰り返すこと。これをやると、失敗が点在します。同じ「決済が落ちた」でも、捕まえる場所によってログの形もステータスも変わる。調査するとき、どこを見ればいいのか分からなくなります。

代わりに、深いところは素直に失敗を投げる/Resultで返すだけにして、境界の一番外側で一度だけまとめて処理します。Expressなら、エラーハンドリング用のミドルウェアを一番最後に置くのが定石です。

import express, { type Request, type Response, type NextFunction } from "express";

const app = express();
app.use(express.json());

app.post("/users", (req: Request, res: Response) => {
  const parsed = parseCreateUserInput(req.body); // 想定内の失敗は Result で受ける
  const result = toHttpResponse(parsed);
  res.status(result.status).json(result.body);
});

// 一番最後に置く「集約点」。想定外(throw)はここで一度だけ捕まえる
app.use((err: unknown, _req: Request, res: Response, _next: NextFunction) => {
  // ここでだけ unexpected を作り、ログには cause を残す
  console.error("[unexpected]", err); // 実運用は構造化ログへ
  res.status(500).json({ error: { code: "INTERNAL", message: "サーバー内部でエラーが発生しました", retryable: false } });
});

この形にすると、想定内の失敗(Result)と想定外の失敗(throw)の出口が1か所ずつに揃います。「ユーザーに見せる文言」と「ログに残す情報」を切り替えるのも、この集約点だけ直せば済む。Express公式のError handlingに、ミドルウェアを最後に置く理由が書かれています。

ユーザー向けメッセージと内部ログを分ける

AppErrormessagecause の両方を持たせているのには理由があります。読む相手が違うからです。

ユーザー(やAPI呼び出し側)に返すのは、code・短い messageretryable くらいで十分。逆に、スタックトレース、SQL文、環境変数名、APIキーの断片、内部のテーブル名をレスポンスに混ぜるのは事故です。攻撃者へのヒントになりますし、サポートに「ECONNREFUSED at pg.connect って出ました」と言われても利用者は困るだけ。

一方、ログには逆に全部残すcodekindretryableattemptcause(元の例外)。これがないと、あとで原因を追えません。先ほどの toHttpResponsecause をレスポンスに含めていないのは、この分離を型レベルで効かせるためです。

// 出口で2系統に分ける: ログには全部、レスポンスには最小限
function emit(error: AppError, res: { status: number; body: unknown }) {
  // ログ: 調査に必要な情報を構造化して残す(cause も含める)
  logger.error({ code: error.code, kind: error.kind, retryable: error.retryable, cause: error.cause });
  // レスポンス: ユーザーに見せてよい情報だけ
  return { status: error.status, body: { error: { code: error.code, message: error.message, retryable: error.retryable } } };
}

ログ設計そのものを詰めたい人は、構造化ログとPIIマスクを扱った「ログ入れて」が本番で死ぬ理由が地続きです。出てきたログの読み方はエラーメッセージの読み方に寄せると、調査の手順までつながります。

リトライは「時間で回復する失敗」だけに絞る

runJob にリトライを入れましたが、リトライは万能薬ではありません。入れる対象を間違えると、障害対応のつもりが事故の増幅になります。

リトライしていいのは、時間を置けば回復しうる失敗だけ。具体的には、一時的なネットワーク断、503、レート制限(429)、DBのロック競合。retryable: true を立てているのはこの系統です。

逆に、リトライしてはいけないのがこちら。

  • バリデーションエラー:入力が同じなら、何度送っても結果は同じ。
  • レスポンス形が想定外:相手の仕様変更かバグ。叩き続けても直らず、ログとキューを汚すだけ。
  • 副作用が冪等でない処理:同じCSVをもう一度取り込んで二重登録しないか、メールを二重送信しないか、課金を再実行して二重請求しないか。ここを確かめずにリトライを入れると、リトライのたびに被害が増えます。

実装上のコツは、リトライ間隔を少しずつ広げる指数バックオフにすること。即座に連打すると、落ちている相手にとどめを刺します。delayMs100 → 200 → 400 のように倍々で伸ばすだけでも、相手に回復の時間を渡せます。

Claude Codeに「設計」でレビューさせる

このパターンの良いところは、Claude Codeへの依頼が短く具体的になることです。「このエラーをいい感じに直して」だと一般論が返りますが、設計の語彙があると指示がぶれません。実装後はこのプロンプトでレビューさせています。

このPRのエラー処理を「設計」の観点でレビューしてください。
1. 失敗を入力検証/外部API/ジョブ/想定外のどれかに分類できているか
2. 想定内の失敗をResult型、想定外(バグ)を例外、で使い分けているか
3. catch を境界の外側に集約しているか(奥でnullを返して握りつぶしていないか)
4. ユーザー向けmessageにスタックトレース・SQL・秘密情報が漏れていないか
5. retryable を立てているのが「時間で回復する失敗」だけになっているか
6. リトライ対象の副作用が冪等か(二重登録・二重課金が起きないか)
不足は、最小差分の修正案と失敗系テストを3つ出してください。

ここで効くのが、プロジェクトの AGENTS.mdCLAUDE.md に「境界で分類する/想定内はResult、想定外は例外」と一行書いておくこと。ルールがないと、別の人がすぐに throw new Error("failed") へ戻してしまいます。型の絞り込みを使うなら、公式のTypeScript Narrowingが判別可能なUnionの根拠になります。

僕がやらかした失敗3つ

正直に書きます。最初の設計は穴だらけでした。

ひとつ目は、catch (e) { return null; } で失敗を消したこと。一見きれいに動くんですが、障害が起きたとき手がかりがゼロでした。何が落ちたのか、cause すら残っていない。今は最低でも codekindcause のどれかは必ず残します。

ふたつ目は、例外とResult型を混ぜて使ったこと。同じ層で、ある関数は throw、別の関数は Result を返していて、呼び出し側が毎回「これはどっち?」と考える羽目になりました。層ごとに「ここはResultで返す」と決めてから、迷いが消えました。

みっつ目は、全部にリトライを入れたこと。良かれと思ってバリデーション失敗まで3回再送する作りにしたら、ユーザーの入力ミスで外部APIを3倍叩いていました。レート制限に引っかかって、まともなリクエストまで弾かれる始末。リトライは retryable が立っているものだけ、に直しました。

よくある質問

Q. 例外とResult型、結局どっちを使えばいいですか? 想定内の失敗(入力エラー、外部API失敗など、設計に織り込んだもの)はResult型、想定外(来たらバグ)は例外で使い分けます。全部Result型にすると入れ子が深くなり、全部例外にすると型に失敗が現れません。

Q. 小さなスクリプトでもResult型を導入すべき? いりません。使い捨てのスクリプトや、失敗したら止まればいいCLIなら throw で十分です。Result型が効くのは、複数の境界があって「どこで何の失敗を返すか」を明示したいアプリです。

Q. エラーコード(EMAIL_INVALID 等)はどう決める? 境界_対象_理由 のような粒度で、英大文字とアンダースコアに統一すると検索しやすいです。大事なのは命名規則より、message(文章)ではなく code でプログラムが分岐できる状態にすること。

Q. リトライの回数と間隔の目安は? 外部APIなら2〜3回、間隔は指数バックオフ(例: 100ms → 200ms → 400ms)が無難です。回数を増やすほどユーザーの待ち時間と相手への負荷が伸びるので、画面同期処理は少なめ、バッチは多めが目安です。

Q. Reactの画面で出たエラーはこの設計で捕まえられますか? レンダリング中のエラーは try-catch では捕まりません。Error Boundaryという別の仕組みが必要です。設計の考え方は同じ(境界で捕まえてユーザー向けに見せる)なので、Error Boundaryの実装を参照してください。

この記事の内容を実際に試した結果

冒頭の「全部 500」事故のあと、僕は入力検証・外部API・バッチ失敗を、ぜんぶ同じ AppError の形に寄せました。変わったのは、Claude Codeへの依頼です。前は「このエラーをいい感じに直して」と書いていたのが、今は「validationは400、externalはretryableを見て再試行、jobはattemptを残す」と一行で渡せる。

レビューで見る場所も、レスポンス・ログ・テストの3点に絞れました。例外とResult型の線引きを決めただけで、「この失敗はどこで捕まえるんだっけ」と悩む時間がほぼ消えた。まだ万能ではありません。でも、500 だらけで原因が追えなかった頃と比べれば、運用で追えるコードに確実に近づいています。

賢いAIに丸投げするより、失敗の置き場所を先に決める。遠回りに見えて、これがいちばん速い、というのが今の実感です。エラー処理のレビュー観点や AGENTS.md の書き方までまとめて整えたい人は教材一覧が近道です。

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この記事を書いた人

Masa

Claude Codeの実務活用、導入設計、収益導線改善を検証しているエンジニア。10言語の技術メディアを運営中。

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